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ブレイク・スルー K-1 舞台裏の物語  佐藤猛著 を読む [格闘技]

佐竹雅昭氏の「まっすぐに蹴る」に対抗した出した本との事で楽しみに読んでみました。
ブレイク・スルー―K‐1舞台裏の物語





私は、佐藤氏のことはまったく知らなかったのですが、石井和義氏のK-1に関するライセンス契約などの法務関係を担当された方のようで、2001年に石井氏とともに国税局の査察を受け逮捕され、2003年有罪判決を受けたそうです。正道会館関係の方からの反論かと思って期待していたのですが、内容的には期待はずれです。

佐藤氏は石井氏から「一流のビジネスセンスと実行力、そこから見え隠れする人生観、いや宇宙を感じていた」そうで、佐竹氏の石井氏の批判的記載に関して、「そんな人じゃないです。貢献したことのほうが多いですよ」、ということを言いたくて本書を書いたようです。
氏は、石井氏のK-1ビジネス手腕に関して、下記の4点を挙げています。
・徹底したマーケット・インの手法
・独自のアウトソーシング能力
・異常なまでのスピード経営
・説明不要の長時間労働

私も石井氏の独特の経営手腕、着眼点に関しては認めざるを得ないと思っています。20代前半で、芦原氏から大阪道場の発足を依頼され、短期間で月に1,000万円弱を稼ぐ道場に育てるのは並の経営手腕ではできません。また、その発想、行動力も素晴らしいものだと思います。ただ、そのために犠牲になった人も多かったことは想像できます。特に佐竹氏のように薄給で働かされた道場職員などの上に成り立った成功だと思います。

佐藤氏は、石井氏に関して不満のある部分に関しても記載しています。
・決めてほしいときに、決めてもらえない
・独自の時間感覚
独自の時間感覚とは、石井氏が自分自身のみで管理するカレンダーでスケジュールを組むが、石井氏の関心がなくなったり、優先順位が変化すると突然スケジュール表から消えるようなことを言っているようです。これは石井氏の師匠の芦原氏、さらにはその師の大山館長もそのような傾向があったようですから、綿々と代々受け継がれているのかも知れません。

本書は例えて言えば、会社の部長クラスが社長の不満を書いた本に対して、ビジネスパートナーが「社長はそんな人ではありませんよ」と反論した本とでも言えましょうか。特にこの社長は、部下あるいは部長クラスに対する対応とビジネスパートナーに対する対応が極端に違っていたようです。(どこの会社でもありそうな話です)

佐藤氏は、石井氏は外国人のK-1ファイターに尊敬されている、K-1ファイターの中で佐竹氏が一番お金に対してうるさかったと書いていますが、佐竹氏の給料やファイトマネーは他の外国人K-1ファイターに出した金と釣り合っていたのでしょうか? その内容を知っているのであれば、そこも含めて書いて欲しいと思いました。

また佐藤氏は、佐竹氏から恫喝的な電話を受けたようなことも書いてありましたが、他の本を読むと石井氏も出版関係やマスコミ関係に同様なことをやっていたように書かれてありますので、人によって対応が違うのはお互い様のような気がします。また、佐藤氏は石井氏も佐竹氏の健康については気にしていたと書いていますが、佐竹氏があれほど書くのですから、石井氏の思いは佐竹氏には全然伝わっていなかったと言わざるを得ません。最近はやりのコーチング手法を使ったマネジメントでは、「伝わらない思いはないものと同じ」と考えています。この辺は、空手の子弟関係が絡んだ超ボスマネジメントを脱しきれなかった石井氏の弱みだったのだと思います。
(苫米地先生の言う「ネガティブラポール」のコントロールを間違ったということでしょうか?)


まっすぐに蹴る












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