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デジタルカメラ2.0 美崎薫著 を読む [写真]

今は、デジタルカメラはほとんどの人が持っていると思います。さらに携帯電話に付いているカメラを入れるとほぼ全員持っていると言っても過言ではないでしょう。
そんなデジタルカメラの歴史を簡潔にまとめているのがこの本です。デジタルカメラの過去や歴史を知りたい人には必見の本です。
デジタルカメラ2.0








みなさんは、一番最初のデジタルカメラはなんだと思いますか?
90年代後半からデジタルカメラを知った人は、きっとカシオQV-10だ!と答えるのではないでしょうか?
正解はこの本を読めば分かりますが、フィルムを使わないカメラという意味では、SONYマビカで1981年8月の発表です。しかし、フィルムカメラ全盛の時代です。そのブアな性能ゆえにデジタルカメラ(当時は電子スチルカメラと言っていた)はほとんど見向きもされませんでした。そしてこれらのカメラは、電子スチルカメラと言いながら、アナログ信号を記録メディア(磁気ディスク)に記録していましたので、厳密な意味ではデジタルカメラとは言えないものでした。その後、SONY以外の会社も裏ではデジタルカメラの開発を行っていました。

そして、真の意味でデジタルカメラと言える(信号処理-記録をデジタル信号で行う)ものは、1988年9月に富士写真フイルムが開発したFUJIX DS-1Pです。このカメラはCCDで撮影した信号をデジタル信号処理して、PCカードサイズのSRAM(バックアップ電池付き)に記録する本当のデジタルカメラでした。しかし、デジタルカメラはブレイクしませんでした。何故かというと、当時は撮影した画像を自分のPCで見ることができなかったからです。

1988年の頃は、日本ではPCと言えばNECのPC-98しかありませんでした。(Window98ではありませんよ!(笑))しかも、当時のCPUは286や386の時代で、普通の人が画像を簡単に扱える環境ではありませんでした。私が、NECのPC-98の呪縛から解き放たれたのが、台湾メーカーのIBM互換のDOS/Vマシンを秋葉で買った91、92年頃ですが、まわりの人たちはNEC製PCしか使っていませんでした。その時私が買ったDOS/Vマシンは、CPUが486-20MHz、メモリー256KB、HDD20MBです。これでも当時では周りの人が誰も使っていないような高性能PCだったんです。(笑) そんなPCでまともな画像処理を望むのは無理でした。

そしていよいよ95年のカシオのQV-10の登場です。この当時は、Windows95の登場でPCの環境も急激に良くなっていた時期で、これなくしてQV-10の大ヒットはなかったと思います。そしてもう一つ画期的だったのが、QV-10は背面に液晶モニターを持っていたことです。その頃でも、ビデオムービーには液晶モニターが付いていて、それで画像を確認できることはあたり前でしたが、デジタルカメラには液晶モニターが付いていませんでした。これは、写真は現像してプリントで見るものという感覚が残ってこともあるでしょう。とにかく、液晶モニターが付いていたQV-10は、大ヒットして買おうと思ってもお店に品物がないことが続くほどでした。この液晶モニターがあることで、飲み会などで女の子を撮ってすぐに見られるといった「飲み会グッズ」としても有用性がありました。(笑)

このQV-10は、画素数が25万画素しかありませんでしたので、フィルム写真を使っていたような人には見向きもされませんでしたし、「デジタルカメラは画質的にはフィルムカメラに絶対に追い付けない」と豪語していた人もいました。というか、そういう人達が大部分でした。しかし25万画素とは言え、プリントに出す訳ではなく液晶モニターでしか見ないフツウの人にとっては十分でした。なにせ、液晶モニター自体の画素数が10万画素もなかったからです。当時、QV-10をカメラと思っていた多くの人たちは、「こんなもの売れない」とバカにしていましたが、飲み会で撮った画を見せるようなコミニュケーションツールと考えている多くの人達に支持されたのでした。

もう一つ私が画期的だと思っているカメラは、98年に発売された富士フイルムの150万画素のFinePix700です。CCDの画素数が100万画素を超えるメガピクセルカメラはオリンパスC-1400LコダックのCD210Zoomなどありましたが、いまいち物欲を刺激されませんでした。しかし、FinePix700は、他にはない金属ボディーをもった高級感あふれるもので、当時10万円くらいしたと思いますが思わず買ってしまいました。画質も当時のPC環境では十分過ぎるくらいのレベルでした。このメガピクセルが発売になってから、デジタルカメラの世界は、高画素競争に入りこみ、年々画素数が上がって行き、今ではコンパクトカメラでも1200万画素なんていうものもあります。まったく恐ろしい世界ですね。

さて、フィルムカメラを使っていた人たちはどうしたのでしょうか?彼らは、メガピクセルカメラが出た頃は、「写るんです」レベルの画質だ、と言っていましたが、年々200万画素、300万画素...と画素が増える毎に沈黙していきました。そして画質、機能に一番こだわるプロカメラマン達が早い段階でデジタルカメラを使うようになっていました。今では、フィルムカメラを使っているのは、一部特殊な分野だけではないでしょうか?

私の息子が少年サッカーをやっているので、時々試合を撮影しにくるプロのカメラマンと話をすることがあります。
「デジタルカメラになって素人の人でも何百枚も撮影するようになって困っています。」との事。理由を聞くと、「どんな素人でも何百枚も撮影すると、何枚かは良い写真が撮れるのよ。」との事です。
確かに、素人の私でも息子のサッカーの写真は、数千枚レベルで撮影していますし、何枚かは良い写真もあります。(笑)

画素数競争が一段落した今、注目すべきカメラは3D画像が撮影できるFinePixReal 3D W1ではないでしょうか?
お店で触ってみて、これだけワクワクするカメラはQV-10以来のような気がします。




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