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音に色が見える世界-「共感覚」とは何か 岩崎純一著 を読む [脳に関して]

音に色が見える世界 (PHP新書)共感覚者である著者の世界について書かれた本です。

共感覚とは、何でしょうか?通常は、可視光は視覚、音波は聴覚、物理刺激は触角などの感覚で認識します。しかし、共感覚者と言われている人たちは、音を色として感じたり、触角で感じたりします。これらの共感覚者は女性の方が圧倒的に多く、10万人に1人と言われています。(その数にはいろいろな説があるそうです)

著者の岩崎氏は、その共感覚者だということです。共感覚という言葉はこれまであまり聞いたことがありませんでしたが、苫米地先生や俳優の中野裕太氏が共感覚者だったということで、人に知られるようになってきました。そのため、共感覚者というのは、ある種の天才というイメージが強くなっています。

kana_colors.jpgこの本に岩崎氏が見える世界(白黒のひらがなや漢字にいろいろな色がついて見える)を写真で紹介しています。「なるほど、共感覚者には世界がこういう風に見えるのか...」と興味深い本です。私は以前、映像信号に関わる仕事をしていたので、文字に色が付いて見える現象が、画素補間の時に生じる偽色に似ていて、とても興味深く読みました。また、TVなどでアナウンサーの細かいネクタイの模様に生じるモアレにも似ているように感じました。TVの場合は、白黒信号である輝度信号を色信号とみなして処理するために色が付くわけですが、岩崎氏の共感覚も視覚の処理の段階で、輝度を感じる領域と色を感じる領域が重なり合っているのかも知れませんね。
詳細は、岩埼純一氏のHPをご覧ください。。
http://www.iwasaki-j.sakura.ne.jp/synaesthesia/my_synaesthesia.html

alphabet_colors.jpg苫米地先生の場合は、声を視覚や触覚で感じていたそうですから、共感覚と言っても人によって重なる感覚(視覚、聴覚、触覚、味覚 ...)領域が異なるようです。

さらに岩崎氏は、女性を見ると女性の体の周りに色が見えるそうで、その色を見ることで排卵や生理を感知できるそうです。女性にとっては嫌なことかも知れませんが、もともと人間はそのような感覚を持っていたのでしょうね。共感覚は超能力でも何でもなく、他の感覚器で感じるべきものが目で見えていると思われますので、岩崎氏が目で女性の生理が見えるのであれば普通の人でも他の感覚で感じているのでしょう。

岩崎氏のような共感覚とはレベルが異なりますが、人間の両方の目は決して同じように見えているわけではありません。左右で見ている色、明るさ、焦点がかなり違う場合が多いのです。でも人間は、片方の目を基準にして視覚を認識(脳内で補正)しているので、違和感を感じないのです。私の場合、左右の視力が極端に異なる(左:0.03、右:0.7)ので、裸眼の場合とメガネやコンタクトをした場合の見え方にかなり違いがでてきます。そのため、若いころから「他の人と自分は同じ世界を見ているのだろうか?」と疑問に思っていましたので、この岩崎氏の本を読んで、「やっぱり人によって見えている世界は違うんだ!」ということを再認識しました。

苫米地先生が「苫米地英人 宇宙を語る」で述べていた、
・一人一人宇宙の領域を持っている。
 ⇒ 宇宙は人の数だけある 
 ⇒ 
たとえ同じ世界を見たとしても誰も同じ世界にいない
ということが実感として納得できました。
もっと極端な例でいうと、目の不自由な長谷川きよしには、長谷川きよしの世界があり、目も耳も不自由なヘレン・ケラーにはヘレン・ケラーの世界があるということを考えると人は自分と違う世界に住んでいるということを理解しやすいと思います。

また、苫米地先生の本には、先天的な共感覚とは異なるのでしょうが、自分が感じた感覚を違う感覚で表現することで後天的に共感覚を身につけることも可能だと書かれています。

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