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この世に「フリーランチはない!」 FREE経済学入門 苫米地英人著 を読む [苫米地英人]


フリー経済学入門 【知らないではすまされない! 世界を支配する「フリーミアム」の解説書】


苫米地先生が「フリー」に関する考えを述べた本です。

この本は、サイゾーの小林編集長が関わったクリス・アンダーソンの「フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略」に関して、「面白い視点だけど、ちょっと違うぞ!」とサイゾーのオーナーである苫米地先生が書いたものです。

最初のポイントは、アンダーソンの「フリー」では「フリーランチはある」と主張していますが、苫米地先生はやはり「フリーランチはない」と主張している点です。
ただで何かを手に入れた時、仕組みとして他の誰かが代わりに支払う仕組みになっていれば、それはフリーランチである、というのがアンダーソンの主張ですが、苫米地先生はそうではない、と言います。

・ネットを通じて、過去、現在、未来一切何も買わなくてもフリーランチに対する経済的対価を支払っている
⇒ 登録によって相手に自分の情報を提供している
⇒ お金を払っている時は主であったものが無料になったとたんに従の立場となり、普段なら出さない個人情報も提供してしまう
・脳はフリーに弱い
⇒ 自分のホメオスタシスに影響を与えない

つまり、フリーランチの代わりに自分の個人情報を提供している、ということです。そして、それらの自分では大したことではないと思って、さまざまな場合に提供している断片的な個人情報がどこかに集約されることで、重要な個人情報となるということです。

【限界費用に関して】
車や電化製品は1台作るためには必ず材料費、人件費などがかかりますが、インターネットの普及によってソフトウエアなど、提供するものの限界費用がゼロに近づいてきています。例えば、マイクロソフトのWordなどのソフトウエアは、膨大な開発費がかかりますが、一度製品ができてしまえば、製品のコストはパッケージやCDなどの費用だけで非常に限界費用が小さくできます。そして、インターネットを使用したダウンロードサービスの場合、それらの限界費用もほとんどゼロとなるということです。

そして、それを利用して大きくなった企業がGoogleです。Googleの流通コスト、在庫コスト、パッケージコストはゼロで限界費用はほとんどゼロです。
ただし、Googleの弱点はサーバーのコスト、電力コストでその費用はバカにならないレベルだそうです。アメリカの電力消費量は毎年10%ずつ伸びており、これはGoogleのサーバーの電力UP量との噂があるそうです。(これは証拠はないそうですが...)
そして、Googleの限界費用(サーバーコスト、電力コスト)の限界を超えるのが、苫米地先生のやっているP2P(Peer to Peer)方式だとのことです。

【フリーミアムに関して】
次に「フリーミアム」に関してです。
「フリーミアム」とは、基本的な機能や製品サービスを無料で提供して高度な機能や特別な機能を有料で提供するビジネスモデルのことです。
・「お金」は昔からフリーミアム
⇒ 「お金」は中央銀行が印刷する紙切れ
⇒ 中央銀行は、国が発行する国債と引き換えに印刷した紙切れを流通させ、 膨大な国債金利を受け取っている
・銀行もフリーミアム
⇒ 信用創造機能を使って集めたお金の何倍ものお金おを貸し出している
⇒ 銀行は通帳に数字を印刷するだけで膨大な収益を上げている
FRB(米連邦準備銀行)はロスチャイルド、ロックフェラー、モルガンなどが株主となっている私銀行である
⇒ 米国、その他の国が米ドルを決済通貨として使用する場合、その使用料がFRBに流れ込む仕組みになっている
信用だけで成り立っている「お金」はフリーミアムそのものである、と先生は主張しています。また、先生は以前から「銀行は詐欺だ!」と主張されています。

例えば、自分が持っているフェラーリを誰かに貸した場合、貸している間は自分が使用できないからその対価としてお金を取るというのがまっとうな考えです。ところが、銀行は、誰かが1万円預金すると、信用創造によって7万~10万円を貸し出すことが可能となります。その場合、預かった1万円を手元に持ったまま、預金通帳に数字を印刷するだけで金を貸すことが可能となりますので、これが詐欺だという主張です。

そして、信用がすべてである通貨制度において、米・英ではロスチャイルド・ロックフェラーなどが株主であるFRBという私企業が通貨を印刷しているのです。これは陰謀論でも何でもなく事実であり、これに煩悩丸出し集団が関われれば、どのようなことも可能だということになります。
日本で考えれば、三井銀行や三菱銀行が日本の紙幣を印刷するようなもので、このようなことがあること自体不思議なことです。

【Googleに関して】
そして、いよいよGoogleに関してです。Googleは検索サービスやGメールなどを無料で提供することで、シェアを伸ばしてきました。誰しも何故無料で良いのか、と一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか? 私は広告料などで支払われているのだろうということで納得していましたが、苫米地先生はGoogleは世界を監視するパノプティコンだと主張します。
つまり、世界中の人々がGoogle検索やGメールを使用することで、様々な情報を監視することが可能になっている、ということです。
・中国政府がGoogleの検閲を懸念
⇒ 国民の検索データは重要な情報
・アラブの某国はGメールを禁止
⇒ 情報漏洩の懸念
私たちは、新聞やWeb上で中国政府とGoogleとのトラブルを「また中国が変な規制をしている」と思ってしまいますが、上記のことを頭に入れると「重要な情報をGoogleに渡さない」という中国の方策のようにも考えられます。中国やアラブ某国のように米国と距離を置いている国が自国の重要な情報を出さないというのは当然のことと思われます。

私たちは、Googleが私たちの情報を悪用しないということを前提として便利に使用しています。しかし、時々私もGメールや、Googelデスクトップを使用していると、自分のPCに持っている情報がネットの向こう側から丸見えなのでは?と不安に思うことがあります。

苫米地先生は、Yahoo!、ライコスから2年も遅れたGoogleが急激に伸びた事を不審に考え、売上のない99年にベンチャーキャピタルから30憶円近い融資を受けた事に関して、「何らかの意思が感じられる融資である」と述べています。

【MPEGに関して】
また、2011年からアナログ波が使えなくなり、地上波デジタル放送だけとなりますが、ここで使用されているMPEGはフリーミアムであると主張します。
MPEGというのは、静止画の規格であるJPEGと同じような画像の圧縮方式で、動画に関する規格です。私もMPEGのライセンス料を管理しているMPEG LAの主要株主がジョージ・ブッシュファミリーと言われているということは初めて知りました。いつの間にかアナログ方式が使用できなくなり、その次世代の地デジにMPEGを採用することを小泉政権が決めたことは、ブッシュ―小泉間で何らかの話し合いがあったことを想像させます。

そして、問題は現在私たちはMPEGをネット上で無料で使用できますが、ずっと無料である保証はないことです。苫米地先生によると2011年までは無料と書かれているが2012年以降は分からないと言います。

私たちはこの世の中に「フリーランチはない」ということを十分認識しておくべきだと痛感しました。

この本の全体の内容に関してはRONRONさんのブログを参照してください。
http://ronron2008.blog.so-net.ne.jp/2010-04-25

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RONRON

きましたね~苫米地先生のFREE経済学入門!
トラックバックありがとうございます^^
私もFRBとMPEGに関しては衝撃を受けましたね~。
Simpleさんはクリスアンダーソン著の「FREE」はお読みに
なりましたか? 読み比べるとまた面白さ倍増ですよ。
by RONRON (2010-05-16 15:53) 

Simple

RONRONさん

いつもありがとうございます。
私も「FREE」も読んでいるのですが、他の本が優先になってまだ途中です。(‐‐;
確かにこれも面白いですよね。
by Simple (2010-05-16 23:14) 

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