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トンデモ本の「もどき本」か? 団塊世代のボヤきの書か? 「ビジネス書大バカ事典」勢古浩爾 を読む [ビジネス]

最近売れているビジネス書に関して、「もどき本」であると主張する本です。

ビジネス書大バカ事典








私はこの著者を全く知らなかったのですが、結構売れているようですね。
著者は1947年生まれで、ずっと会社勤めをしていた方のようです。この本では、最近出されている石井裕之氏や苫米地先生勝間和代氏、神田正典氏、本田健氏、本田直之氏などをボロくそに書いています。この方は、34年間の会社生活の中でビジネス書をほとんど読んでこなかったそうです。そんな人がこのような本を書いてよいのかどうかが疑問に思いましたが...。

まず、最近出されている上記の著者の本を「もどき本」だと断定します。
私がこの本を読んだ感想を一言でいうと、「ビジネス書に関して、会社で定年間際の先輩やOBと飲みに行った時に聞かされるような話をまとめた本」というものです。私はこの本を「と学会」のトンデモ本に関する本の一種かと思って買いましたが、全然レベルが低くて読んでいてバカらしくなりました。と学会のトンデモ本では、綿密な調査をベースに説得力のある(反論すべき点も多いですが…)論理を展開していますが、この本は勢古氏の独断で論を進めているので、全然説得力がありません。

どの本も「成功」を保証しているという点で、すべて「もどき本」と断じるしかないのである。(中略) 水野俊哉は、「成功本を読んでいるのに、なぜみんな貧乏なのか?」と自問し、その答えとしてこの本を書いたという。(中略) おなじように「成功本」がインチキだからである。インチキ本を読んで、「成功」するわけがないのである。
この意見には反対です。私は、「成功本」を読んでいるのに成功しない理由は、本の内容に問題があるものもあるでしょうが、本を読んだ通りに実行しないことが一番の原因だと考えます。サッカーの本を読んでも、その本に書かれたように練習しなければうまくなるわけはありません。英語の上達本を読んでも、その通りに勉強しなければ英語がうまくなるわけはありません。勢古氏はなぜ一足飛びに、「成功本」がインチキだからである、と断定できるのでしょうか?

私はビジネス書「もどき」の鍵概念である「成功」というフレームをまったく認めていないからである。(中略) むろん「成功」はあってもいいし、たしかに「成功者」は世に存在している。しかし「成功」など、どうでもいいのである。(中略)それに「成功」など、普通の人間にとっては人生の中心的目標にはなりえないものである。
勢古氏はこのように書きながら、以下のようにも書きます。

わたしは、大金があればなあ、と思ったことは、ある。(中略) 人はやはりパンのみに生きるにはあらずで、金はあくまでも人生の従属物であろう。主人公ではない。(中略) よくよく金に見放された人生である。まあ、こっちから見放したのが先だったから、いまさら泣き言を言っても始まらない。(中略) 静かな環境のなかに住み、日に三度の食事ができて、年に数度の旅行と、月に数度のそこそこの外食ができ、煙草代とコーヒー代と本代に困らない程度なら、それで申し分なはない。
何のことはない、勢古氏もお金は欲しいようです。欲しいが、お金を欲しがるのはみっともないということだけのようです。この辺りの考えは、日本人に深く根付いている考えですから、団塊の世代の人たちにとっては仕方のないことなのかも知れません。実は私も以前はそのような考えを持っていました。しかし、このブログで紹介してウォレス・ワトルズの「The Sience of Getting Rich」を読んで考えが180度変わりました。

人の最高の幸せは、愛する人によいものを贈ることにあります。愛の最も自然な表現は、与えることです。 もし何も与えられるものをもっていないとしたら、配偶者として、親として、あるいは市民として、人間として、役割を果たすことができません
たとえ年収が1,000万円あったとしても1,500万円あったとしても、住宅のローンを抱えていれば、子供が私立高校や大学に行った時には、お金に苦労するものです。私は、上記のワトルズの言葉に衝撃を受けました。自分は愛する子供達や妻に対してきちんと与えるべきものを与えていたのか?
勢古氏は、煙草代、コーヒー代、本代など自分の事しか書いていませんが、愛する人たちにきちんと与えるべきものを与えているのでしょうか?

この本で紹介している苫米地先生やDr.佐藤などは決してお金が目的ではなく、自分の夢を実現するための手段として必要なお金を得ています。その辺りを勢古氏は全く理解できていないようです。

(追記)
この本に関してはすぐに「その2」も書こうと思っていましたが、あまりに「その1」の反響がないので書く意味を感じなくなってしまったので、追記でお茶を濁すことにします。(題名の「その1」は削除しました) みなさん、やはり本を見る目がありますね。(笑)

勢古氏は。「潜在意識」というものに関してかなり不審感を持っているようで、石井氏や苫米地先生の本を徹底的に批判しています。氏は、心理学や催眠術、コーチングなどの本を読んだことがないのでしょうか?
お二方を含めた成功本の批判をするのであれば、心理学や催眠術、コーチングに関する本を最低5冊ずつ読んでから批判して欲しいものです。いろいろと反論したいことはありますが、ここでは自分が知らないこと、できないことは間違っているという論法はおかしいとだけ批判しておきます。

最後にと学会の山本氏と武田邦彦教授の議論での武田氏のコメントを再掲して終わりとします。
二つの対立する意見がある時、自分と意見が違うからといって相手のことを『間違っている』というのは如何なものか

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