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論理的思考のバイブル 「ロジカル・シンキング」 論理的な思考と構成のスキル 照屋華子・岡田恵子著 を読む [ビジネス]

論理的な思考を鍛えたい、プレゼンの説得力を上げたいと思う人は多いと思います。そんな時の助けになるのがこの本で、マッキンゼー出身の照屋華子氏、岡田恵子氏という二人の女性が著書です。

ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)








2001年初版で、私が買ったものは2009年11月に42版を重ねている大ベストセラーです。先日、会社で「ロジカル・シンキング」のセミナーを受けたのですが、その時の講師の方が、さらに勉強をするのであればこの本を使うのが良いと推薦していました。それくらいスゴイ本なのです。

第一章 相手に「伝える」ということで、の中でこう書きます。
すると、自分の言いたいこと、自分が重要だと考えていることを相手に理解してもらうためにはどうすればいいのだろうかと悩んでしまう。そして自分の言いたいことをうまくまとめるために、提案書や報告書を何度も書き直す、あるいは、言い回しやフォーマット、はたまたデザインや色使いなどに凝る、ということに走りがちだ。
実は、ここに相手に伝わらない最大の要因が潜んでいる。大事なことは「あなた」が言いたいことではない。「あなた」が大切だと思っていることでもない。それが、相手にとって、伝えられることが期待されている「メッセージ」になっているかどうかなのだ。
これは私も陥りがちな点だと思いました。自分の言いたいことをいかに伝えるかをメインで考え、相手の期待していることに関してはあまり考えたことがありませんでした。

そして、この本のメインは3章以降の、

MECE ― 話の重複・漏れ・ずれをなくす技術
So What?/Why So? ― 話の飛びをなくす技術

となります。MECEは、勝間和代氏の本で有名になりましたが、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive の頭文字をとったもので、ミーシーあるいはミッシーと読み、「漏れなく・ダブリなく」という意味です。何かを考える時に、適切な切り口で「漏れなく・ダブリなく」考える時の考え方です。
ビジネスの世界で良く言われる3C/4Cは、業界を市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)、チャネル(Channel)に分けて考えるもので、厳密な意味でのMECEではありませんが、一応全体を網羅したと考えようという約束事であるそうです。

そして、MECEに分けたデータを考察する時に使うのが、So What?/Why So? の考え方で、話の飛びをなくす重要な技術です。私も他の人の話を聞いていて、「現状は●●です。従って△△です。」という話を聞いて「?」と思うことがあります。なぜ●●から△△の結論が導かれるのかが見えないからです。
これを防ぐのが、So What?/Why So? です。●●という現状を見た時にSo What?(結局どういうことなのか?)と考えるのです。そして、So What?した時に出た答えである△△に対して、Why So?(なぜそのようなことが言えるのか?)と考えてみるのです。
そして、●●をSo What? した結果である△△をWhy So?と考えた時に、「●●だから」と言えることができれば、●●と△△に「話の飛びがない」と言えるわけです。

上記の全体をMECEに分けて、So What?/Why So? で論理構築するというのが、このロジカル・シンキングのポイントになります

このように、とてもためになる良い本なのですが、いくつか不満もあります。

【文体】
女性が著者の場合に多いのですが、「~だ」、「~である」という書き方が非常に気になります。どうして「です・ます」体の女性らしい文体で書かないのでしょうか? マッキンゼーの大先輩である、大前研一氏の本も「です・ます」体で書かれていますし、最近このような文体で書かれた本をあまり読んでいなかったため、私には変な気負いが感じられてしまいます。このような印象を受けるのは私だけなのでしょうか?

【おやじギャグ】
自分のことしか考えていない人たちのことを、「自分しか見えない病」とか「にわか読心術症候群」と書くのはまだ許容範囲ですが、
さすがに”課長・視野狭窄”と異名をとるB課長だけのことはある。
B課長の次に口を開いたのは段違い平行棒の名手と揶揄されるC氏だ。
というのを読んで、ちょっと白けるのは私だけでしょうか? これがマッキンゼー流のユーモアなのかも知れませんが(?)、私にはお寒い「おやじギャグ」としか思えません。内容が良いだけに、もう少し何とかならなかったのか、と残念に思いました。

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ロジカル・ライティング (BEST SOLUTION―LOGICAL COMMUNICATION SKILL TRAINING)



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