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これまでの速読法は間違っている! ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方 [苫米地英人]

苫米地先生の速読に関する本です。
これまでの速読法は間違っている、という内容です。

ほんとうに頭がよくなる「速読脳」のつくり方 (PHP文庫)








まず、先生はこれまでの速読法は間違いであると指摘します。
そもそも、あなたは何のために本を読むのでしょうか?
必要な情報を得たいからでしょうか?
知識を増やしたいからでしょうか?

その程度のことなら、あなたは本屋に行って本を買う必要はありません。そのような時間があったらGoogleで検索したほうがよほど早くて確実、しかもタダで情報が手に入ります。(中略)

ところが、いままでの速読術で教えていたのは、いかにページを早くめくるかばかりといっても過言ではないでしょう。1冊10分で読める、1冊5分も可能と、中身の把握よりも問われるのは”タイム”ばかり。(中略)
本は一字一句落とさず読むべきなのです。文体も味わうべきなのです。
三島由紀夫の小説を文体も味わわずに読んだら、それこそ時間の無駄です。
ハッキリいいましょう。これまでの速読術は一言でいえば、”飛ばし読み”にしか過ぎませんでした。これに反論のある方もいるでしょう。そういう方にこそ、本書を読んで欲しいのです。

私も20年以上前から速読には興味があったので、関連した本を読んだり、セミナーに参加したりしましたが、なかなか投資に見合った速度で速く読むことはできていません。(笑)
私と同じような人は多いと思います。
私はこう思っています。次から次へとこういった類の本が出るのは、今までの速読の本が読者を満足させてこなかったことの証拠以外のなにものではない、と。
読者を満足させない。それはとりもなおさず、”内容を把握できる速読ができなかった”と読者側が感じていることになるわけです。
もう一つ、速読は判断基準がとても曖昧で、なにをもってゴールとするのかが、本によってマチマチだったことも問題でした。必要な情報をピックアップできれば、それがゴールというものもあれば、本のあらすじを他人に聞かせることができれば、それがゴールというものもあります。1冊を5分で読めてもその内容をどれくらい把握できるかについては曖昧な表現になってしまうのです。

確かに、多くの速読本は「10倍速く」というようにスピードを全面に出したものが多いですが、「速く読める」=「速く理解できる」と明確に定義したものはあまりありませんね。読者は「今までと同じ理解度で」という暗黙の期待を持って速読の本を買っていますが、それに明確に答えている本は少ないと思います。

また、苫米地先生は、「キーワード」にフォーカスした読み方は、自ら「スコトーマ(心理的盲点)」を作ってしまうため、フォーカスした部分しか読めなくなってしまうと言います。つまり、他の情報を遮断してしまうため、新しい情報を入手するには向かない読み方であるとのことです。

そして、フォトリーディングのようにパラパラとページをめくって読む、いわゆる「右脳速読」に関しては、以下のように書いています。
多くの速読本では「無意識レベルでは認識しているから大丈夫」といった解説をよく目にしますが、これは少し無責任な気がします。たしかに無意識レベルでは認識はしています。それは間違いありません。
しかし、脳機能学者として、また、オウム信者をはじめ、多くのカルト信者の脱洗脳をしてきた私としては「無意識」という言葉をあまりにも安易に、あるいは都合よく使いすぎている気がしてならないのです。

要は、無意識に入っている情報を意識に上げるのは難しいということです。速読の本をたくさん書かれている斉藤英治氏も最初は右脳速読を習得して、講師の資格も取りましたが、「確かに速く読めるが理解できない」と悩み、いろいろな速読法を研究されたそうです。右脳速読をやっている人の悩みはそこにあるように思います。

苫米地先生は、大学時代にやっていたディベートで大量の情報をインプットする必要があり、速読を身に付けたとのことです。
普通に考えれば、ページをパラパラめくって内容が頭に入るわけがないからです。しかし、本を1冊5分で読む世界は本当にあります。それどころか、そこは速読の技術がなければ生きていけない世界です。(中略)

アメリカの大学院。私がいうのはハーバード、イエール、カーネギーメロンといった本気の大学院の話です。ここが速読を必須とする世界です。論文も含めて2,000冊から3,000冊の本を博士前期課程の2年間で読む必要がありますから、単純に日割り計算すれば、1日30冊から50冊は読まなければこなせない量になります。
1冊15分で読んでも40冊読むのに10時間。もちろん内容も理解したうえでなければ講義についていけないわけですし、論文も書けません。(中略)

私が学んだのは、イエール大学大学院とカーネギーメロン大学大学院でしたが、学期ごとに学生の数がどんどん減っていきました。彼らは講義についていけなかったのです。(中略)

アメリカに留学してMBAを取得してくれば、一応日本ではしっかり勉強してきたといわれるレベルでしょう。MBA取得にもかなりの勉強量を必要とするからですが、大学院の博士課程と比べてみると、残念ながら歴然とした差はあるのです。
なぜならMBAといっても、所詮はビジネススクールの話だからです。ビジネススクールですから、生徒さんは、みな年間200万円なりの高額授業料を払ってくれる大切なお客さん、そう簡単にはクビにしたりしません。(中略)

まがりなりにも「私は速読ができます」といって他人に速読術を教えるのであれば、最低でもアメリカの大学院で博士号を取ってからにすべきではないか、と思うからです。「5分で読めて中身も理解できます」というのは簡単です。
しかし、本当に中身が理解できているかどうかは、テストでもしない限りは他人には判断のしようがありません。

確かに、速読ができるのであれば高速に大量の情報をインプットできるのであるから、それなりのアウトプットがあってしかるべき、という意見はよくありまし、私もその通りだと思います。

さて、苫米地流速読法のゴールですが、以下のようにおいています。
(1)読後の理解度のレベルは、これまで通りの速度で読んで理解できていたものと同等レベルとします。
(2)読書時間は初期目標として6倍速をめざします。

本屋にあふれている速読法の宣伝文句に慣れた人たちは何だ、6倍しか速く読めないの?
と思う方も多いかもしれませんが、これまで1冊読むのに3時間かかっていた人が30分で終わるのですから十分に実用的だと思います。

そして、その方法ですが、
本を一字一句落とさずに速く読む方法。それが苫米地式速読術ハイサイクル・リーディングです。
この速読術は、人間の生体時間=クロックサイクルを上げることで速読を実現するものです。クロックサイクルを加速させて、あなが自身がハイサイクル化されることで速読を実現させるというものです。

苫米地先生は、よく講演などで「速読? 単に速く読めばいいじゃん! 何の技術も工夫も要りません。2倍で読みたければ2倍で4倍で読みたければ4倍で読むだけです。」と言っています。これは、いわゆる「左脳速読」と言われるものだと思います。自分のクロックサイクルを2倍にして2倍で理解できれば2倍速く読めるというものです。

この苫米地方式は、私がいいと思っていた速読法である左脳速読と右脳速読をジョイントさせた「ジョイント式速読法」(推理作家の若桜木虔氏と川村明宏氏が共著で本が何冊か出ています)に近いと思います。(苫米地先生がディベートをやっていたのは、「ジョイント式速読法」の本が出されるよりも前です)

高速道路で走っていて一般道に降りた時に速度がとても遅く感じることがありますが、「ジョイント式速読法」はそれを利用して、脳を活性化させて速読するというものです。

苫米地式ハイサイクル・リ―ディングの方法は、以下のような内容です。
STEP1 速読意識の醸成
STEP2 速読テクニック”先読み”の習得
STEP3 ハイサイクル化のトレーニング
             (1)すべての行動を加速する
             (2)並列度を上げる
             (1)抽象度を上げる

速読に興味がある方は、読んでみてはいかがでしょうか?


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苫米地先生のその他の本は、
・洗脳支配
 http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-03-28
・頭の回転が50倍速くなる脳の作り方
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このブログの目次です。
http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-04-17-1


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mo_co

いろいろな本の紹介ありがとうございます。
こちらの紹介で、グっと惹かれましてAmazonでポチっとしました。
ありがとうございます。
とても楽しみです。
今後ともよろしくお願いいたします。
by mo_co (2010-09-13 10:02) 

Simple

mo_co さん、

いつもありがとうございます。
更新が遅いですが、気長にお付き合いください。(笑)

by Simple (2010-09-13 20:40) 

Simple

ゆきさん

角島の写真素敵です。
秋吉台もよさそうですね。また、きれいな写真お願いします。

RONRONさん

いつもNice!ありがとうございます。
by Simple (2010-09-13 22:42) 

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