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原寸大で保存して欲しかった 「男たちの大和」のロケセット 尾道 [中国地方]


決定版 男たちの大和〈上〉 (ハルキ文庫)決定版 男たちの大和〈下〉 (ハルキ文庫)
今更という感じはしますが、辺見じゅん著の『決定版 男たちの大和』です。

この本は、太平洋戦争末期に3,000人の戦士を乗せた戦艦大和が水上特攻で沖縄に向かう途中で米軍の攻撃を受けて沈没するまでの乗組員たちのドラマを生存者からのインタビューをもとに作られています。みなさん御存じのように、この本は角川春樹氏が映画化して大ヒットしました。著者の辺見じゅん氏は角川春樹氏のお姉さんです。

私は、子供のころから戦艦大和のファンだったので、「男たちの大和」の映画は、15、6回見に行きました。(笑)もちろんDVDも買いました。
その当時長男が17歳だったので、同じ年齢の少年兵たちが大和で特攻に出陣するのを見て、めちゃくちゃ感情移入して見ました。こんな少年たちを絶対に戦争に行かせちゃダメだ!と切に思ったものでした。
映画の内容も良かったですが、大和がスクリーン上で動いているのを見るだけでも大満足でした。と言うか、大和の雄姿を大スクリーンで見るために何度も通ったというのが正直な所です。その映画で使用した原寸大の大和のロケセットが尾道で映画公開後もしばらく公開されていました。(以下の画像は4年前のものです)

戦艦大和は、ご存じのように当時世界最大の戦艦でした。あまり実感がわかないと思いますので、同じく映画になったタイタニック号と比較してみましょう。
大和 :全長263m、最大幅38.9m、艦橋の高さ38m、排水量69,100トン
タイタニック号:全長269m、最大幅28.2、高さ10.5m、排水量46,328トン

全長はほとんど変わりませんが、幅と高さが非常にあるのが特徴です。特に、大和は世界最大の46センチ砲を搭載するため、それに耐えられるように全幅を決めたと言われています。建造当時上から見たことのある兵士は幅が広いので、「まるでタライのようだった」と感想を述べていました。

この映画用のロケセットは、総工費6億円をかけて前方の2/3を再現したもので、約190mの長さがありました。(下の白い部分が再現された部分です)
yamato0.JPG




















艦首の部分から艦橋を見たものです。艦橋は、高さ制限があるため作られなかったそうで、映画ではCGで描かれていました。
yamato1.JPG




















横から見るとこんな感じです。
DSCF1020.JPG
DSCF1021.JPG
DSCF1022.JPG
DSCF1087.JPG




















第一主砲の砲身は再現されていませんが、当時世界最大の46cmの第二主砲だけでもかなりの迫力です。できれば、第一主砲の砲身や高さ39mあった艦橋まで再現して欲しかったですね。
yamato4.JPG




















大和は、最も重量のある主砲の位置を下げるために第一主砲前が一番低く、艦首に向かって少しずつ高くなっていました。これは「大和坂」と言われており、写真でも見ても若干傾斜がついていることが分かると思います。
yamato6.JPG




















さらに艦首の方に行き、第一主砲の方向を見たものです。
yamato7.JPG
DSCF1034.JPG




















46cmの第二主砲を横から見たものです。非常に大きいです。
yamato2.JPG
DSCF1037.JPG
副砲です。随分高い所にありますね。
DSCF1048.JPG





















46cmの第二主砲の後方から艦首方向をみています。画面中央いる緑の蛍光色のカッパを着ている方の部分が艦首辺りになります。約150mの距離です。本当に大きいですね。
yamato5.JPG




















映画でも大活躍した機関銃です。
DSCF1046.JPG




















山の上の千光寺公園から対岸のロケセットを見たところです。遠くから見てもその大きさは分かります。
yamato3.JPG
DSCF1134k.JPG
DSCF1124.JPG





















このロケセットですが、2006年5月で公開終了して解体してしまったのですが、その一部は呉の「大和ミュージアム」に無償譲渡されて展示されているそうです。このロケセットは、累計100万人を超える人が訪れ、100億円の経済効果を尾道市にもたらしたと言われています。おそらくもう二度と作られることのない大和の原寸大のロケセット、残して欲しかったな~と思うのは私だけではないと思います。

ちなみに、この映画で角川事務所顧問である苫米地先生が、「音楽で匂いを出す」ということで、硝煙の匂いを出そうとしたそうですが、スタッフのみんなで聞いたところ全体の1/3くらいしか匂いを感じなかったため、取り止めになったそうです。1/3でもすごいと思いますが、製作サイドとしてはもっと確率が高くないと宣伝にも使えないと判断したのでしょうね。

【大和関連】大和ミュージアムです。
1/10大和は必見 大和ミュージアムに行くべし! 戦艦大和復元プロジェクト 戸高 一成著 を読む
http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-10-16

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コメント 11

mo_co

すごいセット!
と思ったけれど、あの当時にもっとすごいものがあったということなんですよね。
またまた私の知らない世界をありがとうございます。
by mo_co (2010-10-11 21:50) 

Simple

mo_co さん

いつもありがとうございます。
見に行った日は天気が悪くて残念でした。
また、どこかに作れば必ず見に行きます。
大和とか、大観音とか大きいものが大好きです。(笑)
by Simple (2010-10-11 23:26) 

Simple

RONRONさん

いつもNice! ありがとうございます。

by Simple (2010-10-11 23:30) 

Simple

えーちゃんaaa さん

Nice! ありがとうございます。
ブログ拝見しました。
欲しそうなものばっかりですね!
by Simple (2010-10-12 22:21) 

HAJIMEVISION

私もDVDBOXを買いました。撮影セットの写真は初めて見ました。行って見たかったなー 
 戦艦大和は航空戦力の台頭を思うと、少し完成が遅れてしまったかなと思いますが、当時の日本の技術力と精神性の高さのシンボル的存在かと思います。戦艦大和よ永遠なれ!
by HAJIMEVISION (2010-10-13 06:07) 

Simple

HAJIMEVISION さん

Nice!&コメントありがとうございます。
ブログでサンダ―バーズって初めて知りました。
実際に見るとすごいんでしょうね。
今後ともよろしくお願いします。
by Simple (2010-10-14 00:04) 

Simple

TBMさん

いつもNice!ありがとうございます。
「JAL崩壊」、立ち読みでパラっと見ましたが、面白そうですね。
by Simple (2010-10-14 00:08) 

通りすがり

誤解のないように訂正させていただきます。
「主砲は再現されていません。」とありますが、
正確には「第一主砲塔の砲身は再現されていない」ですね。
第2主砲塔は砲身まで再現されています。
「46cmの副砲を横から見たものです」とありますが、
この写真の写っているのは46cm主砲そのものです。
46cmの副砲など存在しません。15.5cmの副砲ですね。
下から6番目の写真に写っているのが15.5cm副砲です。
by 通りすがり (2017-06-24 13:25) 

Simple

通りすがりさん、
コメントありがとうございます。

7年前に書いたので、何を見て書いたか覚えていませんが、言われてみると確かにそうですね。ご指摘の点、修正させて頂きました。
どうもありがとうございます。
by Simple (2017-06-24 16:15) 

akijin

この地 両親が住んでる場所なんです
昔は 新造船の進水式などよく見かけました
それが一躍 ヤマトの撮影現場に
人の多さに驚いたもんです
今は その面影もないんですが
駅前から渡船 今も島で暮らす人
それに昔の工業高校が 今は私立の尾道高校に
学生さんたちの行き来 いい場所になってます
by akijin (2018-01-23 09:44) 

Simple

akijin さん、コメントありがとうございます。

あの当時は、本当にすごい人でしたね~。
まあ、尾道は大和が無くても他に沢山売りになるものがありますからね。

でも、呉の大和ミュージアムが入館者数が1,200万人を超えたそうですから、あの実物大のセットが残っていれば、多くの人を呼べたでしょうね。
まあ、維持費もかかるのでしょうから判断が難しかったとは思いますが。
by Simple (2018-01-24 22:15) 

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