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反対尋問の手法に学ぶ 嘘を見破る質問力 荘司雅彦著 を読む [裁判に関して]

「日本弁護士白書」に公表されている平均的弁護士の約10倍の弁護士経験を積んだスーパー弁護士である荘司雅彦氏の本です。

反対尋問の手法に学ぶ 嘘を見破る質問力

私は、仕事で日本の民事訴訟を一度だけ経験したことがあります。その時に感じたのが、「裁判って結論ありきなのでは?」ということです。それまでは米国訴訟は数件経験していましたが、米国は陪審員制度なので陪審員によって判決が振られるということはリスクとして認識していました。しかし、日本の裁判は裁判官が裁くので正しいものが勝つと信じていました。(今考えると恥ずかしいですが...)

今では日本もどこかの国の圧力により、ほとんどの人が望んでいないのに裁判員制度が採用されてしまいましたが、今のところ刑事裁判だけで、民事裁判は裁判官による裁判です。

その当時(8年前)の私の裁判官と弁護士に対するイメージは、以下のようなものでした。
・裁判官は、厳正中立であり裁判では正しいものが勝つ。
・弁護士は、頭脳明晰で正義の味方である。
ところが、一度裁判を経験すると「そうでもないな~(笑)」と感じました。最近では、「行列ができる~」というTV番組で弁護士達も普通の人間と変わらない、いや変わっている(笑)ということが分かってきたと思いますが、当時はそんなことは想像もできませんでした。

私は、もともと技術者でしたので、法律を専門に学んだことはありませんでした。そのため裁判を一歩引いて見ていたため、「裁判って結論ありきなのでは?」という印象を受けましたが、ずっと法律を専門に勉強してきた同僚達はそのようには思わなかったようです。そのため、会社の中ではあまり大きな声では言えず、どこかにそれを裏付けることが書いていなのかと探している中で見つかったのがこの本です。

法律家の論理学
理由はあとづけにすぎない
私個人の感覚から申しますと、法律家の論理は「演繹法」も「帰納法」も説明のための道具にすぎず、ロジカル・シンキングに至ってはほとんど必要ないんじゃないか・・・と大それたことを考えています。
なぜなら、法律家の論理学は、よろしいですか・・・・ここが一番肝心です!

①「結論」が先にあり
②「理由」は、結論をもっともらしく見せるための理屈(論理)としてのみ意味がある
からです。

少し考えていただければ分かるように、われわれ弁護士は、依頼人が「右」と言えば「右」という結論があって、「右」であるための論理を考えます(「左」の場合も同じです)。

実は、裁判官の多くも、最初に結論ありきで、判決文の「理由」は、結論をもっともらしくするための「理屈」にすぎないのです。このことは法曹界では常識ではありますが、一般的にはあまり知られていません。(中略)
双方が和解に応じず、仕方なく判決書を書くことになっても、裁判官の「主文」(つまり「結論」はすでに決まっていて、あとは控訴されたときに控訴審の裁判官に理由部分(つまり結論を支える「論理」)で、文句をつけられないように細心の注意を払うだけなのです
もちろん、判決文を書くに際して白紙の状態で証拠を積み上げていって、最後に結論に至るという裁判官が皆無とは言いませんが、少なくとも私は、そのような裁判官に出会ったことはありません。

その他にも、荘司氏は多くの法廷での経験から人間の記憶はいかにあてにならないものであるかを書いています。
私が法廷で相手方証人の証言を聞いていて、何度となく「この嘘つきめ!」と思ったことがありました。
しかし、「嘘つきめ!」と思うことが多かったのは、弁護士経験が比較的浅い時期で、法廷活動を重ねるうちに、次第に、ほとんどの証人たちが意図的に嘘をついているのではないということに気づくようになりました。

真実と異なる証言をしているにもかかわらずです。
これはどういうことかといいますと、証人たちは、意図的もしくは無意識的に「つくられた記憶」に基づいて、「主観的」には真実を述べているのです。(中略)
自分の「思い」や「推測」が、実際に生じた事実に関する、自分自身の「記憶」に変質してしまうのです。
つまり、自分が「真実だ」と思っていることも、客観的に見ると間違っていることが非常に多いとのことです。ですので、荘司氏は相手が自分の思っていることと違うことを言っても、むやみに「嘘つき!」ということは慎むべきだと述べています。逆に荘司氏は、「和歌山カレー事件」のように多くの証言者が同じ証言をしているのを見ると背筋が寒くなるそうです。(そのようなことは通常はありえない)

また、さらに重要な情報は「女性は、男性よりもはるかに嘘が上手」ということでした。(^^)
これはかなり身につまされる内容です。
これは、何百人という男女を見てきて、また、法廷で何度となく男女を尋問してきた私の経験からすると、間違いのない事実です。

たとえば、法廷で証人席に座ったとき、私の経験では、例外なく女性は堂々としています。それに比べ、男子は、そわそわしたり、顔が緊張でこわばったり、手が震えていたり、見るも哀れな人が少なくありません
私は法廷での証言はありませんが、米国訴訟で相手の弁護士の前での証言(Deposition)は2回ほど行ったことがありますが、後で撮影したビデオを見ると情けないくらいに緊張していて見るのが嫌になりました。(‐‐;

また、男と女で嘘を言う時の視線が違うようです。
証人が男性の場合、嘘を言うとき、つい目をそらしてしまいます。
逆に、女性の場合は、嘘を言っているとき、私に目を合わせてきます。
「これは使える!」と思ったのですが、荘司氏のように経験のある弁護士でも女性の嘘を見破るのは至難の業であるそうですので、あきらめました。女性の嘘に対して決定的な証拠を突きつけても平然と反論してくるそうで、不倫を暴くには、女性ではなく男性から落とす方が簡単だそうです。(男はすぐに認めるそうです(笑))

女性の嘘は、分かっても流すのが良いようですね。

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コメント 7

mo_co

「つくられた記憶」オソロシイですね。
当事者ではない、一般人もさまざまな思惑の入った報道でいつの間にかすり込まれているのですよね〜。
オソロシイ。
by mo_co (2010-12-03 17:07) 

Simple

mo_co さん

いつもNice! & コメントありがとうございます。
脳は、自分に興味がない情報は抜け落ちるようになっていますので、通りすがりで目撃したことを正確に覚えていることはまれでしょう。
mo_coさんが書いたように、報道や調査官の「~を見たんだろ?」というような誘導質問に「そうかも知れない」、「きっとそうだ」...と自分で思い込むのでしょうね。


by Simple (2010-12-03 22:30) 

TBM

脳は無意識に、記憶をつくってしまうようですね。
以前、「記憶はウソをつく」という本を読みました。
by TBM (2010-12-03 23:58) 

Simple

TBM さん

いつもNice! & コメントありがとうございます。
そのようですね。自分の無意識がやっていることなので、自分では認識できないのでしょうね。
by Simple (2010-12-05 17:34) 

Simple

RONRONさん

いつもNice! ありがとうございます。
by Simple (2010-12-05 17:34) 

お名前(必須)

裁判官の「結論」からはじまっているというのは、原告の主張から、決まっているということですか?
by お名前(必須) (2015-02-23 00:04) 

Simple

こんにちは。私の印象では「結論」は下記の通りです。

①民事訴訟の場合:原告と被告の主張をざっとみて印象で決める。
②刑事訴訟の場合:起訴されたら「有罪」と判断する。(99.9%有罪なので)

まあ、一般的は話で例外はあるでしょうが。
by Simple (2015-02-25 21:01) 

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