SSブログ

ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く 生田哲著 を読む [健康]


ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く (講談社プラスアルファ)
最近はサプリメントを飲む人も多くなってきましたね。私もDr.佐藤の影響で、約4年前からビタミンC、Eなどを中心に飲んでいます。
今回紹介する本は、サプリメントの中では一番人気のあるビタミンCに関してです。著者である生田氏は、1955年、北海道生まれの薬学博士です。東京薬科大学大学院修了後に、渡米してがん、糖尿病、遺伝子研究で有名なシティ・オブ・ホープ研究所、カリフォルニア大学ロサンジェルス校などの博士研究員を経て、イリノイ工科大学助教授になった経歴とのことです。
生田氏の主張は明快です。
①ビタミンCはがんに効く
②ビタミンCはカゼやインフルエンザに効く
③ビタミンCは感染症、心筋梗塞、脳梗塞にも効く
④ビタミンCは病気になりにくい体をつくる
⑤ビタミンCは安価で副作用のない安全な食品である
こう書くと、「ビタミンCのカゼやがんへの効果は否定されているはずでは?」と思われる方も多いと思います。1970年代にアメリカでビタミンCの大ブームがありました。それは、ノーベル賞受賞生化学者である、ライナス・ボーリング博士が1970年に「ビタミンCとカゼ」という本を出してベストセラーになったことによります。そして、1979年に「がんとビタミンC」を刊行してビタミンCのがんへの効用を主張しました。しかし、その後、アメリカを代表する大病院であり、医学研究機関でもあるメイヨ・クリニックが執拗にビタミンCの効用を否定する論文を発表したことでビタミンCの有効説は弱い立場となっていました
しかし、2005年にNIH(米国立衛生研究所)のマーク・レビン博士のグループによって、これまでの否定論の間違いを正し”ビタミンCががん細胞を殺す”ことを証明する衝撃的な論文が発表されて、ビタミンCに対する見方は激変したそうです。

レビン博士の主張は、「超高濃度のビタミンCの摂取によって体内に過酸化水素という毒が発生する。この毒が血管を経てがん組織に運ばれることで、正常細胞にダメージを与えることなく、がん細胞だけを選択的に殺す」というもので、まさに「魔法の弾丸」ですね。しかも、大量摂取しても副作用がほとんどありません。

そうは言っても、「ビタミンCはほとんどの人が摂取しているのにがんになるのは何故?」と疑問がわきますよね。がんに対して効果を出すにはビタミンCの摂取量がポイントとなるそうです。通常は、ビタミンCと言えばミリグラム単位で摂れば「壊血病」を防げるため、1日の摂取量は多くても1,000mg=1g と言われています。ビタミンCは必要以上に摂取しても排泄されてしまうため、「高価なオシッコ」を作るだけと言う人もいます。

それに対して病気の時に摂取すべき量はどのくらいかというと、がん:10~100g、インフルエンザ:100~150g というレベルだそうです。摂取量は個人差が80倍くらいあるそうなので、一概には決められないそうです。病気治療の時は、経口ではなく点滴の方が血中濃度を上げる効果が高いようです。摂取の方法は、数時間毎に分けて摂取することで一定値以上は排泄されるものの血中濃度を高く保つことができるそうです。

そもそもビタミンは、”微量でも生体の正常な生体の発育や物質代謝をコントロールする、生命活動に欠かせない有機物質”と定義されているそうですが、生田氏はビタミンCはビタミンと名付けられているが「食品」と考えてグラム単位で大量摂取すべきと書いています。

さて、こんなに良いことずくめのビタミンCの効用が、これまではメイヨ・クリニックによって徹底的に否定されてきました。しかし、生田氏がメイヨ・クリニックの論文を読み直してみると、ずさんな試験、実験をベースにした主張であり、ビタミンCの効用を否定するための明らかに”破廉恥”な行いが数多くあったそうです。
まさか米国の有名な医療機関がそんなことをする訳ないと思いたいですよね。

でも、実際にビタミンCが、がん、インフルエンザ、心筋梗塞、脳梗塞などに効くとしたら大変なことになることは想像できますので、それに対抗する既存の勢力があっても不思議ではないと思います。
医薬品メーカーが膨大な開発費をかけて作った抗がん剤や、インフルエンザワクチンなどが不要になってしまうわけですし、なによりも患者の数激減してしまうでしょう。新種のインフルエンザの感染が広まった時に新開発のワクチンで儲けるはずの医薬品メーカーがダメージを受けることは明らかです。
影響は医療関係だけでは済まないでしょう。みなさんは、がんがビタミンCで予防や治療ができるようになった時に「がん保険」に入りますか? 入りませんよね。医療保険において「がん」ほどのインパクトのある病気(キラーコンテンツ)は他にはないでしょうから。

この本を読んでから、私も一日5gはビタミンCを摂るようにしています。
健康に興味のある方にはお勧めの一冊です。

ブログランキングに参加しています。記事が気にいったらクリックをお願いします。人気ブログランキングへ

このブログの目次です。
http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-04-17-1


食べ物を変えれば脳が変わる (PHP新書)脳と心をあやつる物質 (ブルーバックス)心の病は食事で治す (PHP新書)脳は食事でよみがえる 疲れた脳、心のストレスはこれで解消! (サイエンス・アイ新書)よみがえる脳 脳は環境の変化に対応し、何歳になっても、絶えず変わりつづける (サイエンス・アイ新書)知らないと危ない!サプリメントの利用法と落とし穴 (講談社プラスアルファ文庫)病気知らずのビタミン学―がんから美容まで (PHP新書)人気サプリメントのウソとホント―トップ33品目を徹底検証する (+α文庫)

nice!(4)  コメント(5)  トラックバック(0) 

nice! 4

コメント 5

tsworking

結局はバランスですよね。
体調が悪くなる前に、酸っぱいものが欲しくなるのは、こういった所なのでしょうね。
by tsworking (2011-12-03 23:55) 

Simple

tsworking さん

400番目のNice! & コメントありがとうございます。

人間など霊長類の一部以外の動物は、自分の体内でビタミンCを作ることができるそうです。ビタミンCを作れない私たちの体がビタミンCを必要としている時は、やはり酸っぱいもの(ビタミンCを含むもの)を食べたくなるのでしょうね。
by Simple (2011-12-04 01:43) 

Simple

TBM さん

Nice! ありがとうございます。
セレッソは最終戦は大勝でしたね。
by Simple (2011-12-05 22:32) 

Simple

mo_co さん

Nice! ありがとうございます。
メールがブログに上がっているとはビックリしたでしょうね。
お疲れ様でした。
by Simple (2011-12-05 22:42) 

Simple

マチャ さん

Nice! ありがとうございます。
東大寺も東側に行くと人が少ないのですね。
by Simple (2011-12-13 23:48) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。