「へうげもの」の世界、「茶の湯」を知るにはこの本! 図説「茶の湯」入門 [美術]
「茶の湯」の入門書のムックです。
お茶を飲むという行為は世界じゅうで行われています。しかしそこに美を見出し、芸術までに高めたのは日本人だけです。この点から、「茶の湯」を知ることは日本人を知ることだとも言われます。本書はそのための第一歩を手助けするための入門書です。茶の湯が大きく発展した安土桃山時代を中心に、理解に必要な項目を厳選して構成しました。利休、織部から茶事のマナーまで、本書で茶の湯のキホンを学んでいきましょう!
この本の構成は以下の通りです。
Part1 茶の湯の歴史を知る
徹底比較 織部と利休 ”二人の革命児”の美意識とは!?
「茶の湯」人物伝
Part2 茶碗を知る
茶碗の歴史と見どころを知る
茶碗の観賞ポイントを知ろう
Part3 茶室を知る
茶室と露地
茶室の変遷をたどる
Part4 茶道具を知る
名品! 逸品! 茶道具ガイド
Part5 茶事と茶会を知る
茶事と茶会の基礎知識
茶の湯の飲み方
懐石
この本で面白いのが、Part1の”「茶の湯」人物伝”でコミック「へうげもの」の名シーンを使用していることです。「へうげもの」ファンにはたまらないですね。(^^)
松永久秀、荒木村重、明智光秀、蒲生氏郷、津田宗久、今井宗久、山上宗二、ノ貫、高山右近 が紹介されています。
ちょっと違和感があったのが、Part2の”茶碗を知る”の一番最初に大きく1項を使って写真で紹介されているのが、乾山の黒楽茶碗であることです。(左図)
私は乾山の大ファンなので、乾山の茶碗を紹介されるのはうれしいことですが、茶の湯の名品として最初に紹介されるのことに関してはかなり違和感があります。
茶の湯の世界で、長次郎作の楽茶碗よりも先に紹介されるのであれば、残念ながら乾山の茶碗ではなく、光悦の茶碗ではないか?というのが正直な感想です。光悦には「時雨」など黒楽茶椀の名品がありますので。
茶の湯の茶碗に関する本は、何冊か持っていますが乾山の黒楽茶碗が紹介されているのを見たことがありませんし、乾山の本や展覧会の図録を見てもこの黒楽茶碗を見たことがありません。乾山研究者の中には、リチャード・ウィルソン氏のように、「乾山は黒楽茶碗を作らなかった。黒楽茶碗は二代目の作である。」という極端なことを主張している人もいます。(私はそうは思いませんが)
いずれにしても、乾山の代表作とも言えない黒楽茶碗が、茶の湯の茶碗の一番最初に紹介されていることに関しては、編集者の意図がまったく理解できません。
とは言えその点をのぞけば、この本は茶の湯の入門書としてはとても読みやすい、良い本だと思います。
茶の湯に興味のある方にはお勧めです。
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http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-04-17-1
2012-03-12 00:32
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コメント(6)
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mo_co さん
Nice! ありがとうございます。
試験、お疲れ様です。
「THRIVE」面白そうですね。
by Simple (2012-03-13 00:53)
マチャ さん
Nice! ありがとうございます。
平城宮跡、まだ発掘しているんですね。
楽しみですね。
by Simple (2012-03-13 00:56)
tsworking さん
Nice! ありがとうございます。
本当に3.11は、忘れてはいけないですよね。
あれからもう一年ですね。長いような短いような...。
by Simple (2012-03-13 00:59)
sasugano さん
Nice! ありがとうございます。
「未来日記」ちょっと面白そうですね。
by Simple (2012-03-13 01:01)
TBM さん
Nice! ありがとうございます。
いよいよ野球もサッカーも開幕ですね!
by Simple (2012-03-13 01:03)
月夜のうずのしゅげ さん
Nice! ありがとうございます。
「ピナ・バウシュ 夢の教室」面白そうですね。
by Simple (2012-03-18 13:57)