SSブログ

完全放置すればがんは痛まない! 大往生したけりゃ医療とかかわるな 「自然死」のすすめ 中村仁一著 を読む [健康]


大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)

いや~! ビックリしました。本の題名通りの非常に衝撃的な本です。

著者の中村仁一氏の経歴は、京都大学医学部卒業、財団法人高雄病院院長、理事長を経て現在は社会福祉法人老人ホーム「同和園」附属診療所所長です。


中村先生の主張をまとめると
「大きな病気になると医者にかかり、最後は延命処置をするので、とても苦しんで死ぬことになる。無駄な手術や医療処置をせずに「自然死」すると楽に死ぬことができる。」
ということになると思います。

いわゆる「自然死」というものは、通常はありえないことを改めて認識しました。
その老人ホーム勤務も12年目に入り、最後まで点滴注射も、酸素吸入もいっさいしな「自然死」を数百例もみせてもらえるという、得がたい体験をしました。 病院では、最後まで何とか処置をします。いや、しなければならないところですから、「自然死」はありえません。(中略) また、医者の方も、何もしないことには耐えられないでしょう。しかし、それは、穏やかに死ぬのを邪魔する行為なのです。 ですから、ほとんどの医者は、「自然死」を知りません。人間が自然に死んでいく姿を、見たことがありません。だから死ぬのにも医療の手助けが必要だなどと、言いだすのです。

中村先生からの質問です。みなさんは、どうでしょうか?
私も半分くらいは○が付きました。○がゼロが正解だそうです。
治療に関する思い込み度テスト(信頼度テスト)
①ちょっと具合が悪くなると、すぐに医者にかかる
②薬をのまないことには病気はよくならない
③病名がつかないと不安
④医者にかかった以上、薬をもらわないことには気がすまない
⑤医者は病気のことなら何でもわかる
⑥病気は注射を打った方が早くよくなる
⑦よく検査するのは熱心ないい医者だ
⑧医者にあれこれ質問するのは失礼だ
⑨医者はプロだから、自分に一番いい治療法を教えてくれるはず
⑩大病院ほど信頼できる医者がたくさんいる
⑪入院するなら大病院、大学病院の方が安心できる
⑫外科の教授は手術がうまい
⑬マスコミに登場する医者は名医だ
⑭医学博士は腕がいい
⑮リハビリはすればするほど効果が出る。

これは、最近は他の本でもよく見かける主張です。このことを再認識する必要がありますね。
本人に治せないものを、他人である医者に治せるはずがない 病気やケガを治す力の中心をなすものは、本人の「自然治癒力」です。だから、少々のケガや病気は、医者にかかららなくても薬を飲まずに放っておいても治ります。

「自然死」というものは、本人は苦しまないで死ねるようにできており、手を尽くして医療処置や延命処置をすることで、本人を苦しめているという警鐘を鳴らしています。
「できるだけの手を尽くす」は「できる限り苦しめる」
「飢餓」では、脳内にモルヒネ様物質が分泌され、いい気持ちになって、幸せムードに満たされるといいます。また「脱水」は、血液が濃く煮詰まることで、意識レベルが下がって、ぼんやりとした状態になります。(中略)酸欠状態では、前述のように脳内モルヒネ様物質が分泌されるといわれています。(中略)一方、炭酸ガスには麻酔作用があり、これも死の苦しみを防いでくれています。
このように死というのは自然の営みですから、そんなに苛酷ではないのです

最後にがんについてです。他の本にも、がんは日頃の不摂生を補うための修復細胞である、というような主張があり、私も納得していました。しかし、そうは言っても「がんは痛みがひどい」という話をよく聞きますので、それに関しては疑問に思っていましたが、中村先生の主張で納得しました。
がんでさえも、何の手出しもしなければ全く痛まず、穏やかに死んでいます。以前から「死ぬのはがんに限る」と思っていましたが、年寄りのがんの自然死、60~70例を経験した今は、確信に変わりました。 繁殖を終えた年寄りには、「がん死」が一番のお勧めです。ただし、「手遅れの幸せ」を満喫するためには、「がん検診」や「人間ドック」など受けてはいけません。
がんは完全放置すれば痛まない
死ぬのはがんに限る
私は、20年以上も前から「死ぬのはがんがいい」「がんに限る」とあちこちで口走ったり、本に書いたりしてきました。(中略) 私も以前から、がんで痛みが出るのは、放射線を浴びたり、”猛毒”の抗がん剤で中途半端に傷めつけたりするせいではないか。完全に根絶やしにできるのならともかく、残党が存在する以上、身内を殺された恨みで、復讐に出てもあたり前と思っていました。
今はそれが、確信に変わっています。

中村先生の主張は明確ですが、実際には自然死を実行することは難しいようです。
死にそうになった患者を見ると、医者としては精一杯の治療をすべきだと考えますし、家族も見殺しにはできないと思って医者に同意する。(それが本人にとっては苦痛意外の何ものでもないにもかかわらず)

みなさんもこの本を読んで、自分が看取る立場になった場合や看取られる立場になったことを考えてみてはいかがでしょうか?

ブログランキングに参加しています。記事が気にいったらクリックをお願いします。(モチベーションUPになります)
人気ブログランキングへ

このブログの目次です。
http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-04-17-1


幸せなご臨終―「医者」の手にかかって死なない死に方


nice!(6)  コメント(7)  トラックバック(0) 

nice! 6

コメント 7

mo_co

今時、畳の上で「自然死」しようと思ったら、ほんと、1人でいないと同居人にあらぬ嫌疑がかかったりしちゃいますものね。
私、⑧がyesです。
だって、私の考えも失礼だと思うから(笑)
by mo_co (2012-04-05 22:42) 

Simple

mo_co さん

Nice! & コメントありがとうございます。
確かに最近は年金目当ての「自然死?」が多いので、疑われる可能性がありますね。
私も⑧は○でした。なかなか言えませんよね。
by Simple (2012-04-05 23:43) 

Simple

TBM さん

Nice! ありがとうございます。
泉正人氏の本は読んだことないですね。
探してみます。
by Simple (2012-04-06 00:44) 

Simple

マチャ さん

Nice! ありがとうございます。
Superfly、知りませんでした。
良いですね。
by Simple (2012-04-06 23:11) 

Simple

こっちゃん さん

Nice! ありがとうございます。
「現代ヤクザに学ぶ最強交渉・処世術」面白そうですね。
「どんな状況でも自分に有利に交渉する」は参考になりますね。
by Simple (2012-04-06 23:16) 

Simple

タッチおじさん さん

ロードレーサーでは、若い加藤大治郎やノリックがすでに故人になっています。レーサーに自然死はないんでしょうね。
by Simple (2012-04-09 23:24) 

Simple

tsworking さん

Nice! ありがとうございます。
たしかに制服は毎日気を使う必要がないので楽ですよね。
by Simple (2012-04-14 20:43) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。