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大麻は安全? 大麻ヒステリー 武田邦彦著 を読む [社会]

大麻に関して、以下のようなニュースが流れました。
ワシントン州が米国初の大麻合法化解禁、シアトルでは愛好家数百人が「解禁」を祝福 2012年12月10日 12時48分 更新
 米ワシントン州などでは11月6日の米大統領選に合わせ、嗜好品としての大麻合法化の是非を問う住民投票が行われ、賛成多数で可決された。新法はワシントン州で12月6日に施行され、21歳以上なら1オンス(約28.5グラム)までの大麻を所持・使用しても合法となった。
大麻には強力な抗癌作用などがあるため、これまで欧米諸国では医療用大麻として重宝されてきた。医療目的ではない大麻が合法化されるのは米国で初めてだ。(後略)
http://jp.ibtimes.com/articles/38154/20121210/141596.htm
え~! 大麻って、麻薬なんじゃないの? と思っている人にお勧めなのが、武田邦彦先生のこの本です。
大麻ヒステリー (光文社新書)
武田先生と言えば、「CO2の増加で地球は温暖化しない」、「リサイクルをしてはいけない」、「自然エネルギーは自然を破壊する」、「日本の原発は震度6で必ず壊れる」などなど、一般に常識と思われていることをことごとく否定しており、TV やネットで毀誉褒貶が激しいのはご存じの通りです。
私は武田先生支持派ですので、その立場から紹介します。

大麻と言えば、芸能人や大学生が違法な栽培や所持をしたことで、逮捕されるというようなニュースのイメージが強いと思います。しかし、少なくとも日本では、大麻は長い間身近な存在でした。
そして、この数寄な運命を持つ植物は、つい最近まで、少なくとも2000年は日本人となじみ、神社の鈴縄や赤ちゃんの産着、そして下駄の鼻緒などに使われ、私たちのみの回りにあって一緒に生活してきたのです。それが日本ではなく、アメリカで起きたある事件をキッカケにして、突如として追放の憂き目にあい、今では忌み嫌われる植物の一つになっています。

戦争中、衣服の製造のため、多くの大麻が栽培されていたことはよく知られています。私は北海道出身ですが、小学校の時に先生からこの辺りにも野生の大麻がたくさん残っていると教えてもらいました。その時は、大麻が何なのか知りませんでしたので、気にもとめませんでしたが。
このように日本の文化と密接な関係のあった大麻ですが、なぜ法律で禁じられるようになったのでしょうか?

武田先生のこの本によると、大麻に関しては、特に科学的、医学的な根拠なく禁止されたというのです。20世紀の初めのアメリカでは、白人はタバコを吸っていましたが、メキシコなどのヒスパニック系の移民たちは、タバコより安い大麻を吸っていました。
アメリカでは1920年に悪名高い禁酒法が施行されました。そして、その禁酒法を取り締まるために雇った捜査員が13年後の禁酒法の廃止に伴って大量に余ってしまうという問題が生じました。このことが4年後の1937年に施行された大麻取締法の制定に大きな影響を与えたといいます。
つまり、禁酒法で活躍してくれた捜査官の仕事先は見つかるし、もともとヒスパニック系の人たちが街に進出してくることを快く思わない人たちは、これ幸いとマリファナを敵にしたのです。

そして、この大麻取締法ができる時に大麻の害に関する医学的、科学的なデータはほとんどなかったそうです。そして、アメリカ連邦麻薬局長官であるハリー・アンスリンガーが新聞や映画などを使ってマリファナの害を訴える大々的な「マリファナ追放キャンペーン」を行い、これにより民衆の世論が固まって行きました。
そして、その頃にちょうど石油業界でデュポンがナイロンを発明したことも要因の一つだと言われています。つまり、衣類などに多用されていた大麻を無くせばナイロンが売れるというわけです。
そして、アメリカで禁止された大麻は、大東亜戦争で敗れ、GHQの支配下にあった日本でも強制的に禁止されてしまいます。
何しろ、大麻を吸う習慣などまったくありません。しかもあちこちに大麻畑があるだけでなく、戦争中は、パラシュートなど軍隊の資材として、日本政府は大麻の栽培を大いに奨励していたのです。それを突然、禁止するといわれたら、戸惑う方が当然です。

さて、大麻に含まれる精神作用のある化合物としてテトラヒドロカンナビノール(THC)が知られています。同じ大麻でも、日本の大麻にはこのTHCが少なく、インド産の大麻にはTHCが多く含まれているそうですが、日本ではTHCがほとんど含まれていなくても法規制の対象だそうです。

同様の内容が分かりやすくまとめられています。

このように、お上が決めたことには合理的でないことも多いことは認識しておくべきでしょう。
現在は日本でも法規制されている大麻ですが、日本の伝統を守るためにもこのような根拠の無い法律は廃止すべきだと思います。

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http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-04-17-1


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