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被災した家族をコミカルに描く! ナガサレール イエタテール ニコ・ニコルソン著 を読む [震災・原発]


ナガサレール イエタテール
この本は、2011年3月11日の大震災で著者の実家の家族が被災し、家を建て直すまでの状況をコミカルに描いたマンガです。第16回 文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品に選ばれたそうです。

登場人物は、著書で漫画家のニコルソン、母ルソン(56)、婆ルソン(81)の三人です。
ニコルソン氏の実家は、宮城県の太平洋に面した山元町で、波の音が聞こえるほど海に近い場所だそうです。地震の後に、津波に襲われますが、その時に母ルソン、婆ルソンは自宅の1階にいたそうです。
津波は、天井ギリギリの高さまできたそうですが、二人で流されてきたタンスにつかまり何とか2階に上って助かったそうです。
その後、二人は避難所で生活していたそうですが、ニコルソン氏がたまたまチェックしていた町役場HPで二人の生存を確認し、9日後にようやく連絡を取ることができました。

その後、婆ルソンが「せん妄」になったり、母ルソンががんになったり、大変なことが続きますが、三人で話をして、もとの実家を建て直すことになります。その建てなおすまでのシリアスな話をコミカルなタッチで描いています。

しかし、実家に行ってみると、家そのものは無事でしたが、部屋の中に泥が1メートル以上たまっていたり、家の中にどこかの車のバンパーだけが残っていたりと何から手をつけてよいのか分からない状況でしたが、そのような家も不在の間にボランティアの人たちが3日かけてリフォーム可能な形に戻っていたそうです。

被災地には自衛隊の隊員たちが復旧作業に従事していましたが、いろいろな作業をしてくれてもお礼も受け取らず、わずかな睡眠と食料で任務をこなしていたそうで、地元の女性の間ではアイドル状態だったそうです。本当に今回の震災ほど自衛隊の方々の力が頼りになったことはないと思います。

また、この本には津波で流された後でも食べることができた食料に関して書かれていて参考になりました。プラスチック系の袋のものは水でダメだったそうですが、アルミ系の包装をしたものは大丈夫だったそうです。
・カロリーメイト
・ポテトチップス(水に浸かってもパリパリ)
・お茶
・アルミ缶 (スチール缶は錆びていたとのこと)
など

大震災を実際に体験した人だからこそ描けたマンガだと思います。内容はとっても笑える状況ではないのですが、思わず笑ってしまうようにコミカルに描いており、被災者たちの力強さも感じます。

みなさんにぜひ読んで欲しい一冊です。

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