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木村政彦は最強の男だった! 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか 増田俊也著 を読む [格闘技]


木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか今さら紹介するのが恥ずかしいくらい有名な本ですね。2011年9月発刊で私の買った本は26刷りでした。そんなに売れているのですね~。

著者の増田氏は、1965年生まれ。北海道大学中退。北大柔道部で高専柔道の流れを汲む寝技中心の七帝大柔道を経験。柔道を引退後、新聞記者になる。2006年「シャトゥーン ヒグマの森」で第5回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞。今回紹介する本で「新潮ドキュメント賞」、「大宅壮一フィクション賞」をダブル受賞しました。

格闘技が大好き人間である私は、この本は発売当初から気になっていましたが、キャッチ―な題名とコピーが気に入らず、買わずに無視していましたが、先週末にとうとう軍門に下り買ってしまいました。(笑)
いや~ぁ 参りました! 傑作としか言いようがありません! 思わずのめり込み、一気に読んでしまいました。と言っても、読むのに一週間かかってしまいましたが...。何故かというと、この本、いまどき珍しい二段組みで700ページもあるのです。通常のビジネス書の3冊分の量と重さがあるため、持ち歩いて読む気にはなれないので、通勤用にKindle版も購入しました。
つまり、 紙本(2,730円)+ Kindle版(2,080円)=4,810円 の本です。(^^)
でも、その価値は十分にありますよ!

木村政彦とは、史上最強の柔道家と言われ、「木村の前に木村なく、木村のあとに木村なし」と言われるほどの最強かつ孤高の天才格闘家です。身長170cm、体重85Kgと今では小柄な部類に入りますが、当時まだ普及していなかったウェイトトレーニングを取り入れて、250Kgのベンチプレスを上げていたと言われています。しかも、握力は200Kgはあったであろうと言われています。
そのパワーを生かして、立ち技では大外刈りを駆使して自身の2倍もある巨漢を一発で畳に叩きつけたり、戦前寝技の殿堂と言われた高専柔道で拓大を優勝に導くほどの寝技の名手でもありました。しかし、その柔道界の頂点に立った木村ですが、戦後、師匠の牛島辰熊が立ち上げた「プロ柔道」に参加し、さらにプロレスラーとなって力道山と戦って惨敗したことで、その名声が一気に落ち、柔道界からもは認められていない存在となっていました。

さて、この本の題名である「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」は、上記、力道山との戦いに惨敗した後のことを言っています。
プロレスラーとして木村は力道山とタッグを組んでシャープ兄弟と戦いますが、プロレスはご存知のように、真剣勝負ではなく事前にシナリオが決まっています。結局、木村は力道山の引き立て役となり、シャープ兄弟に一方的にやられ、それを力道山が空手チョップで助けて勝つというようなシナリオが書かれていました。プロレス発足時の一般的な評価は、柔道王の木村が格上で、大相撲出身とはいえ関脇止まりの力道山は格下でした。しかし、プロレスでは、負けず嫌いな力道山が勝つシナリオを書いていたため、木村がそれに反発して「真剣勝負ならば負けない!」と両者が戦うことになったのです。
しかし、当時のプロレス界は、裏社会の後援者が力を持っており、木村、力道山双方の後援者が「本当の喧嘩になるとみっともない」ので、あらかじめシナリオを決めておいて引き分けにすることで、両者合意していました。
ところが試合の途中で力道山は木村を裏切り、セメント(真剣勝負)に切り換え、張り手で木村を倒し、倒れた木村の顔面をサッカーキックで蹴って失神させてしまいます。これによって、木村のこれまでの名声は地に落ち、力道山がスター街道をまっしぐらに走ることになります。

さて、その木村の強さに関しての記載です。
遠藤幸吉:柔道家。120Kgの巨漢で大山倍達とアメリカに渡りプロレスラーと試合をしたことで有名。のちにプロレスに転向して力道山とタッグを組む。
それは君、強いなんてもんじゃないよ。(中略)実際に稽古をつけてもらった私たちから言わせてもらうと、木村さんの強さは別格です。組んだ瞬間、石みたいに硬くて動かないんです。巨大な岩みたいにまったく動かない。(中略) でも動かないんだから、一センチも動かないんだから、どうやって崩せっていうの。崩せないんだから技もかけられない。
(大外刈りは?)あれはもう凄いなんてもんじゃない。その場で下に叩きつけられる。大外というより大外落としです。受け身がとれないんだから。頭打って失神しちゃんだから。
寝技だってもちろんめちゃくちゃ強い。こっちは人形みたいなものです。オモチャですよ。とにかく強いの一言です。『強い』という言葉以外に表現のしようがない。あんなに強い柔道家は、あの後一人も見たことがない。
松本安市:昭和23年全日本選手権優勝、東京五輪柔道チーム監督。現役時代に何度も木村と闘った。
講道館柔道の歴史で化物のように強い選手が四人いた。木村政彦、ヘーシンク、ルスカ、そして山下泰裕。この中で最も強かったのは木村政彦だ。スピードと技がずば抜けている。誰がやっても相手にならない。
大山倍達:ご存じ極真会館館長。木村の弟分を自称していた。
試合は「木村相手に何分立っていられるか」のタイムを競うだけのものだった。とにかく技が速い。神技だよ。全盛時代の木村先輩には誰もかなわない。ヘーシンクもルスカも三分もたないと断言できる。
塩田剛三:合気道養神館館長。拓大で木村と同期。死ぬまで親友として付き合い続けた。
木村の柔道は技の切れ味が違う。今の柔道のような体力の競い合いではなく、技で投げていた。どんなでかい奴も一発で吹き飛ばしたよ。山下(泰裕)や斉藤(仁)なんてコロンコロン投げるさ。
昭和39年の東京五輪の時、日本チームは、当時の世界に敵なしとなっていた世界王者ヘーシンクに誰をぶつけるか決められませんでした。
安定感のある神永か、一本背負いの一発を持つ猪熊功か、あるいはヘーシンクに体格負けしない巨漢の坂口征二か。八人からなるコーチ会議は紛糾し続けた。
「木村政彦を代表にするしかない」
高専柔道出身の政財界人や武専出身の大御所たちからは、半分本気でそういう意見も出されていた。
木村はすでに47歳になっていたが、それでも木村が一番強いと思われていた。

それほど、ずば抜けて強かった木村政彦が、あの力道山との一戦に関してだけは「鬼の木村」らしからぬ、否、自分に過剰なほどの自信があり過ぎた故に油断があり、力道山の裏切りにあっさりと倒されてしまいました。そして、その後木村は死ぬまでその敗北を引きずりながら生きることになります。
短刀を懐に呑んで力道山を刺し殺そうと付け狙った木村は、その怒りを胸に抱えたまま、苦しみながら後半生を生きた。その後半生はまさに生き地獄だった。

木村の最晩年に現東京都知事である猪瀬直樹氏が取材した時のやりとりです。
「あいつは卑怯な男ですよ」 と木村は僕にいった。
「だから、殺したんだ」 しかし、彼はあなたに殺されたのではなくヤクザに刺されて死んだんですよ。
「いや。殺した」 どうやって?
「ここですよ」 と木村は額を指さした。僕は意味がわからなかった。
「ここに “” と書いたんです」 書く? ああ、イメージで前頭葉のあたりに字を描いたわけですね。
「そうだ」

そして、著者である増田氏は、こう書きます。
乱暴であるのを承知でいえば、木村は力道山を殺すべきではなかったのか。たとえどんな犠牲を払ってでも。
力道山の謀略によって木村が失ったものは、あまりに大きかった。
木村氏を敬愛するが故の増田氏の発言だと思います。増田氏の木村政彦に対する思いが詰まった素晴らしい本です。

格闘技ファンには必読の書です! 読むべし!

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