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日本美術の七不思議ベスト1 「風神雷神図」に見る 宗達のすべて「芸術新潮2014年4月号」 [美術]


芸術新潮 2014年 04月号 [雑誌]



現在、発売中の芸術新潮の2014年4月号の特集は、『日本美術の七不思議ベスト1「風神雷神図」に見る宗達のすべて』です。俵屋宗達と言えば、一般には「琳派の創始者」というイメージですが、それに関する疑問を投げかけた特集です。

俵屋宗達に関しては、このブログで2回ほど紹介しています。
・宗達は本当に琳派か? 俵屋宗達 琳派の祖の真実 古田亮著 を読む
・宗達 光琳 乾山が揃い踏み 琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派― に行く

今回の特集の筆者は、安村敏信氏で、2013年3月まで、板橋区立美術館館長をされていた方です。日本美術全集では、第13巻『宗達・光琳と桂離宮』を監修されました。

特集の目次は、以下の通りです。
≪風神雷神図屏風≫ 9のキーワード
1.「琳派への疑問」
2.俵屋
3.モティーフ
4.ルーツ
5.技法
6.形式と構図
7.色彩と背景
8.後継者たち
9.制作年代の謎

まずは、「風神雷神図屏風」の謎について。安村氏は日本美術史七不思議のベスト1と主張します。
①落款・印章が全くないのに宗達筆を否定する論文を見たことがない。
②明治17年のフェノロサの調査では「伝宗達」とされていた。(宗達筆と伝わっているという意味)
③江戸時代の記録のどこにもこの作品が出てこない。
④それにもかかわらず、明治30年代から宗達真筆とされており、現在国宝に指定されている。

そもそも「琳派」とは、この宗達の作と言われている「風神雷神図」を尾形光琳が模写し、その光琳の画を酒井抱一を模写し・・・と「私淑によって継承された」流れを一派と考えたものです。しかし、この本で、「光琳は宗達をそれほど重視しておらず、抱一はオリジナルが宗達であることを知らなかった」と書かれています。だとすると、「琳派」の意味とは何なの?

その他にも「琳派」の代名詞ともいえる「たらし込み」の真の意味を琳派の絵師たちは誰一人理解していなかった、とさえ書いています。読んでいて「へ~!」の連続です。(^^)

琳派ファンには必読の書と言えます。

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