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佐野乾山の新聞報道に関して(2015年) [尾形乾山]

2015年11月26日の産経新聞に何十年か振りに佐野乾山に関する記事が掲載されました。

世紀の真贋論争「佐野乾山」解明へ 栃木の旧家で自筆伝書と陶器発見

お! 佐野乾山の新資料が見つかったのか! とビックリしました。
しかし、記事を読んでみると乾山の書いた伝書「陶磁製方(佐野伝書)」が所有者から佐野市に寄託されたという内容です。な~んだ。佐野伝書は、新発見でも何でもなく昔から乾山の伝書として真筆として認められているもので、50年前の真贋論争とはまったく関係がありません。
KenzankaigaS1.JPG











KenzankaigaS2.JPG
写真のように1982年に五島美術館で開催された「乾山の絵画」という美術展で展示され、図録にも掲載されています。




新聞記事にも佐野伝書が確認されたのは33年ぶりと書かれていますが、これまで知られていた資料が佐野市に寄託されただけなのに、なぜ
半世紀前の真贋(しんがん)論争事件で美術界最大のタブーとされた「佐野乾山」に、再びスポットライトが当たることになる。」(記事の記載)
につながるのか全く分かりません。
また、佐野伝書とともに素焼きの皿3枚が発見されたそうですが写真を見る限り、私には佐野乾山とは思えません。この記事は、産経新聞にしか掲載されていませんので、「産経新聞もよっぽどネタがないんだな~」と思ってしまいました。(笑)

ところがその後、産経新聞は
●11月26日具体的な記述、由来明確 ゆかりの佐野市が寄託受け入れ 真贋論争の「佐野乾山」史料、栃木で発見
●11月27日尾形乾山「元文2年9月」に佐野へ 有力者の招きで来訪か
●11月28日「佐野乾山」は数点程度か 栃木県内旧家で盗難、所在不明陶器も
●12月2日「佐野乾山」裏付ける貴重な史料 「陶磁製方」の写本も発見
●12月5日真贋論争巻き起こした佐野乾山のもう一つのミステリー 盗難で所在不明の作品は何処へ…

というように、佐野乾山キャンペーンのような記事を連続して書いています。
う~む! 産経新聞は何を意図しているのでしょうか?
記事の記載回数の割に内容は陶磁製方の所有者から取材した内容に留まっており、そこまで引っ張る必要もない内容です。

当初は、50年前の佐野乾山事件にはまったく関係ないと考えていましたが、これだけ新聞ネタになることで、一般の人にも「佐野乾山」の名前が浸透する良い機会かもしれないと思うようになりました。私は50年前の「佐野乾山事件」が風化してしまうことを懸念して地道な活動をしていましたが、今回の記事で少しは人々の記憶に残るかもれしれませんね。

もしかすると産経新聞はまだ何か大きなネタを持っているのかも知れませんね
これからも注目したいと思います。

【2015.12.08:追記】
2015.11.26夕方の記事の内容の間違いを勝手に添削します。(^^)
「所蔵が確認された「色絵夏山水画菓子皿」
 栃木県佐野市で、自筆伝書「陶磁製方(佐野伝書)」や陶器など6点が見つかった尾形乾山は日本画家、尾形光琳の弟で、日本三大陶工の一人としても知られる。だが、晩年に現在の同市で作陶された「佐野乾山」は大量の贋(がん)作(さく)が流通し、研究者や好事家の間では「乾山を見たら偽物と思え」とまで言われる幻の作品群となっている。佐野市は寄託を受けることを決定。美術界最大の謎の一つ「佐野乾山」の全容解明に期待がかかる。」(元の記事)

①尾形乾山は日本画家、尾形光琳の弟で、日本三大陶工の一人としても知られる。
尾形乾山は、日本画家尾形光琳の弟で、日本三大陶工の一人としても知られる。
(元の文だと尾形乾山が日本画家のように読めてしまいます)
②晩年に現在の同市で作陶された「佐野乾山」は大量の贋(がん)作(さく)が流通し、研究者や好事家の間では「乾山を見たら偽物と思え」とまで言われる幻の作品群となっている。
晩年に現在の同市で作陶された「佐野乾山」は昭和30年代に大量の新発見の作品が発表された。当時の乾山研究者や好事家の間では「乾山を見たら偽物と思え」と言われていた中での新発見で大きな話題となった。
(当時発見された佐野乾山は、「贋作」とは結論付けられていません。あくまでも「グレー」です。また、大量に流通したとも言えません。一部の骨董屋、好事家が購入していただけです。「乾山を見たら偽物と思え」というのは、佐野乾山に関して言われたことではなく、当時の乾山(鳴滝・二条丁子屋)などに関して言われたものです。当り前ですが、佐野乾山などに比べて鳴滝乾山などの贋作の方が桁違いに数が多いです。)

新聞報道は、事実誤認が多いものです。みなさんも注意して読みましょう。

乾山に関しては、こちらもご覧下さい。
・乾山と言えば色絵陶器です! 「国際写真情報 」 を見る
・佐野乾山の真実! 尾形光琳二代目 乾山 細野耕三著 を読む
・佐野乾山は美しい! 骨董のある風景 青柳瑞穂著 青柳 いずみこ 編 を読む
・藤田玲司と三田村館長が認めた「佐野乾山」、ギャラリーフェイク 006 「タブーの佐野乾山」 細野不二彦著 を読む
・「開運! 何でも鑑定団」の鑑定士の本「ニセモノ師たち」 中島誠之助著 を読む
落合先生の佐野乾山関連の情報も
・乾隆帝の秘宝と『奉天古陶磁図経』の研究 落合莞爾著 を読む

【佐野乾山に関しては、K's HomePageを参考にしています。(http://kaysan.net/sano/sanokenzan.htm)】

●乾山に関する記事です。
・琳派 尾形乾山の書を考える その2 乾山の字母について
・琳派 尾形乾山の書を考える その1
・陶工 尾形乾山は本当に素人か? 『「琳派」最速入門』を読む
・乾山ゆかりの地がおしゃれになっていた! (2017年)
・「乾山 見参! 着想のマエストロ」 を読む
・佐野乾山はホンモノだ! 岡本太郎の見た佐野乾山 美術手帖 1962年8月号 を読む
・「佐野乾山事件とバーナード・リーチ」 豊口真衣子著 を読む
・佐野乾山の新聞報道に関して(2015年)
・尾形乾山生誕350周年の展覧会(2013年)を振り返る
・美術品の科学鑑定って? 「X線分光分析」、「やきものの美と用―芸術と技術の狭間で」 加藤 誠軌著 を読む
・佐野乾山に関する名著 佐野乾山の見極め 渡辺達也著 を読む
・佐野乾山は美しい! 骨董のある風景 青柳瑞穂著 青柳 いずみこ 編 を読む
・乾山と言えば色絵陶器です! 「国際写真情報 」 を見る
・佐野乾山の真実! 尾形光琳二代目 乾山 細野耕三著 を読む
・藤田玲司と三田村館長が認めた「佐野乾山」、ギャラリーフェイク 006 「タブーの佐野乾山」 細野不二彦著 を読む

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