織田信長はスティーブ・ジョブズだ! 「大間違いの織田信長」 倉山満著 を読む [歴史の真実・陰謀論]
← Kindle本です。
倉山先生が書いた織田信長の本です。
最初に近代史家である倉山さんが、なぜ織田信長を書いたかについて記しています。
現代日本は「実にグダグダな時代」であると喝破します。
戦争に負けて、負けっぱなし。殴り返す気力すら、失っている。アメリカの持ち物にされたばかりか、ロシアや中国までが、「それを俺に寄越せ」と小突き回しに来る。あまつさえ、韓国や北朝鮮にまでなめられている。
織田信長の時代も足利将軍に実力がなくてグダグダな時代であったそうです。そして、信長は思い立って立ちあがります。
「だったら、自分がこのグダグダを立て直してやろう」
「自分がやらなきゃ誰がやる?」
「誰もやらないなら自分がやる!」
「いつやるの? 今でしょ?」 ← これは私の付けたし(笑)
織田信長というと、司馬遼太郎の小説などで作られた、「天才的」で「洞察力が鋭い」、「癇癪持ち」で「残虐」な怖い人というイメージがあります。しかし、これは戦後に作られた誤った信長像だそうです。
私がこの本を読んで思ったのは、「織田信長は、スティーブ・ジョブスである!」でした。(笑)
スティーブ・ジョブスは、これまでにない技術でipodやiPhoneなどを世に送り出して世界を変えたように言われていますが、いずれもそれ以前にあった技術を使って使い勝手や製品としての完成度を上げたものです。(それはそれで超の付く拘りと技術力は必要)
しかし、実際にジョブスは世界を変えました。永遠に続くと思われたゲイツのWindowsとIntelの世界に引導を渡しました。織田信長も同様だと思いました。
①信長は権威をないがしろにしたか?
⇒ むしろ権威を利用して自分の敵をつぶしてのし上がっていった。
②信長は革新的な人物だったのか?
⇒ 基本的には常識人。 確かに革新的な事をやったが、信長のオリジナルではない。良いと思った事は躊躇なく取り入れるこだわりの無さがあった。
③信長は戦争の天才だったか?
⇒ 部下の軍隊の強さにバラツキが大きい。生涯で130勝30敗で、非常に負けが多い。「むしろ、泣きたくなるくら戦に弱くて下手」
④信長のノルマはキツイ?
⇒ ノルマは緩いが、業績を上げた者は抜擢してどんどん昇進させる。(本当の成果主義)
⑤信長はものすごい働き者の経営者である
⇒ 信長は部下には強制しないが、自分は寝ないで働く。カリスマではなくてチームのキャプテン。
⑥信長は日本史最高の土下座名人だった
⇒ 武田信玄や上杉謙信など自分のよりも強い相手に対しては、天皇の権威にすがり、ひたすら土下座して戦わないようにした。
そんな、努力家で働き者の信長ですが、倉山先生によると、絶対勝てない超強敵である上杉謙信の死去から本能寺の変までの3年3カ月は、慢心して「調子こきまくっていた」とのことです。私たちが抱いている信長像もこの時代にはあてはまるそうです。
本当の信長を知りたい人には必読の書だと思います。是非読んでみてください。
倉山先生の「嘘だらけの日中近現代史」に関しては、以下もご覧ください。
・中国五千年のプロパガンダを暴く!「嘘だらけの日中近現代史」 倉山満著 を読む その1
・満洲事変は侵略ではない! 「嘘だらけの日中近現代史」 倉山満著 を読む その2
・大日本帝国を滅ぼしたのは、近衛文麿だ! 「嘘だらけの日中近現代史」 倉山満著 を読む その3
このブログの目次です。
http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-04-17-1
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