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羽田空港の国際化は石原都知事の功績だ! 「彼らが日本を滅ぼす」 佐々淳行著 を読む その2 [社会]


彼らが日本を滅ぼす

前回紹介した佐々氏の本ですが、他にも紹介したい部分があるので再度書きます。

政治主導を掲げて官僚を批判、官僚から国会答弁権も記者会見権も奪って得意になっていた民主党内閣が何を行っているのでしょうか? 佐々氏は民主党政権下における日米同盟のきしみが中国の尖閣紛争、ロシアのメドベージェフ大統領の国後島訪問に繋がっていると指摘します。
日米同盟を弱体化させた三人の「戦犯」
唱えていたのは「東アジア共同体」「沖縄のアメリカ海兵隊無用論」「対等な日米関係」「日本海・友愛の海」、その延長線上で日米中が等距離にあるという「日米中正三角形論」だった。
こうした耳当たりのよさげな言葉は、方法論と具体論をともなわない観念論であり、安全保障にはまったく実効性のない空理空論である。
観念論が招いた日米同盟の軋みを察した中国による様子見が、今回の尖閣紛争だった。さらにその際の菅内閣の弱腰外交が、メドヴェージェフ大統領の国後島訪問につながっている。重大な国損を招来した民主党政権の病巣をえぐらなければならない。
明言しよう。日米同盟を弱体化させたのは、小沢一郎、鳩山由紀夫、岡田克也の三氏である。

「第七艦隊がいれば在日米軍は不要」、「沖縄の米海兵隊は不要」ととなえる一方で、600人の大訪中団を率いて中国に朝貢外交を行った小沢一郎氏が戦犯第一号。普天間問題で日米首脳の公約を破って県外・国外移設を説いた、自分だけ満額以上の「子供手当」をもらっていた、そして自分は脱税していながら国民には増税を課そうとしていた思われる鳩山由紀夫元首相が戦犯第二号。外国人特派員協会で講演した時、「東アジア共同体にアメリカを加えない」と明言したと言われる岡田克也前外相が戦犯第三号とのことです。

そして現在の菅総理ですが、学生時代は「四列目の男」と呼ばれていたそうです。何となく、現在の菅氏のスタンスと重なる部分があるように思えますね。
無責任総理は「四列目の男」
私は学生時代の菅直人をよく知っている。
菅直人総理も、あの第二次反安保闘争の学園紛争花盛りの当時、バリケード封鎖された東京工業大学の輝ける闘争委員長だった。
三派系セクトには属していなかったようだが、東工大学生たちを反安保闘争にかき立てる名アジテーターであったことは間違いない。(中略)
加藤学長は、「あの菅という学生には手を焼いています。彼がアジ演説をすると、すぐ五百人くらい集まって騒ぐので困っております」と窮状を私に訴えていた。(中略)
現場で警視庁の警備公安の幹部たちが、
「我々は、菅のことを『四列目の男』と呼んでいるんです」と言う。スパイのことを「第五列」ということは知っていた。(中略)
「どういう意味?」
「機動隊が検挙活動に入ると、横隊だと三列目までは手が届くんですが、四列目となると手が届きません。彼はいつも四列目より後ろにいて、逃げ足が速いんで捕まえられないのです」

そして、佐々氏は「弱い平和主義者が戦争や大事件を呼ぶ」と言います。歴史を振り返ってみると確かにそれは言えそうですね。主な大事件が起こった時の総理大臣は、
・日本赤軍クアラルンプール米国大使館占拠事件:リベラル派で理想主義で、三木武夫氏
・ダッカ日航機ハイジャック事件:三木政権で副総理だった福田赳夫氏
・湾岸戦争:文部大臣の経験しかない市民派の海部俊樹氏
・阪神大震災、オウム真理教地下鉄サリン事件:好々爺で人柄はよい村山富市氏
(追記):2011年3月11日に東日本大震災、福島原発事故が起こり、被災者の方々のことを考えると非常に残念ではありますが、佐々さんの予言の通りとなってしまいましたね。

そして、タカ派と言われている石原慎太郎都知事は佐々氏の友人とのことで、石原氏の知られざる功績を紹介します。羽田空港が国際化されて多くの人がメリットを感じていると思いますが、「どうしてもっと早くやらなかったのか?」と思いますよね。これは羽田空港が使える空域が福生にある横田基地の空域によって大きく削られていたからです。
羽田空港で国際定期便が再開した伏線とは
この日ペンタゴンでの横田返還交渉の席上、石原都知事は、アクリル樹脂性の東京都空域の立体模型を持ち出し、まず「羽田空域」を中央に置いて、それに「成田空域」の模型をかぶせ、さらに「厚木」「横田」と透明な模型を重ねていって、ウォルフォヴィッツ国防副長官に「いかがです? 一目瞭然でしょう」と示したのである。 実に説得力のあるプレゼンテーションだった。 「まず、空域管制権を大幅に日本に返還していただきたい。次に、日米合同の貨物機発着空港、さらに日米共同の民間空港と空軍基地にしてゆく」 という構想を述べた。 本来なら、この交渉は外務省なり国土交通省や防衛庁(当時)がやるべきものだった。ところが、日本政府はアメリカに向かって「NO」と言えない日本だったから、こんな大胆な提案をする者は哀しいかな、石原慎太郎氏以外にいなかったのである。 ウォルフォヴィッツ国防副長官は、実に真剣に石原提案を聞き、善処を約束した。 読者の方はすでにご承知のように、この石原交渉によってアメリカ政府は2008年に横田の空域を20%返還したのである。そのおかげで、羽田の空域が大きく広がり、第三、第四滑走路の建設が可能となって、ついに2010(平成22)年10月21日日本航空ソウル行き第一便が羽田を離陸した。

外務省や国交省や防衛省などは、佐々氏と石原氏によるこの空域の返還交渉を白眼視していたそうですが、返還が決まったとたんに「自分たちがやった」と言いだしたそうです。(笑) まったく有りそうな話ですね。
佐々氏は、この国民にとっての大功績は石原慎太郎氏によるものであると強調します。

この本は、本当にみなさんに読んで頂きたい本です!
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このブログの目次です。
http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-04-17-1

平時の指揮官有事の指揮官―あなたは部下に見られている (文春文庫)わが「軍師」論―後藤田正晴から鳩山由紀夫ブレーンまで (文春文庫)重大事件に学ぶ「危機管理」菊の御紋章と火炎ビン―「ひめゆりの塔」「伊勢神宮」が燃えた「昭和50年」ザ・ハイジャック―日本赤軍とのわが「七年戦争」東大落城―安田講堂攻防七十二時間 (文春文庫)連合赤軍「あさま山荘」事件―実戦「危機管理」 (文春文庫)危機管理最前線 (文春文庫)



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mo_co

いつもありがとうございます。
ホントに垂れ流しの操作された情報からは想像もできないことですね。

個人的には四列目の男にハマりました。
納得!ですが、悲しいですね。
とことんダメなトップ、政治に失望しきることでこの国はようやく目覚めることができるのでしょうね。

by mo_co (2011-03-02 22:31) 

Simple

mo_co さん

いつもNice! & コメント ありがとうございます。

ダメなTOPは本当に困りますが、そのおかげで、みんな国の危機を感じて何とかしなければと意識が高まったのは良いことだと思いますね。(皮肉ですが)
by Simple (2011-03-02 23:48) 

Simple

TBM さん

いつもNice! ありがとうございます。

「出稼げば大富豪」もう4まで出ているのですね。
完全に出遅れてしまいました。私も読んでみます。
by Simple (2011-03-02 23:52) 

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