「ブドウ糖を絶てばがん細胞は死滅する!」 福田一典著 を読む [健康]
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今回は、がんの治療に関する本です。
著者の福田一典氏は、1953年福岡県出身。熊本大学医学部を卒業後、米国バーモンド大学医学部生化学教室に留学し、がんの分子生物学的研究を行い、1992年から(株)ツムラ中央研究所研究部長(漢方薬理の研究)、1995年国立がんセンター研究所等を経て、2002年に銀座東京クリニックを開設し、がんの漢方治療と補完・代替医療を実践しています。
現在、1年間に70万人ががんと診断されていて、がんで死亡する人は35万人だそうです。つまりがんの治療率は5割を切っているそうです。一般にがんの治療の基本は小さい時に完全に切除することで、進行した状態ではがんの根治は困難と言われています。また、抗がん剤による治療は、正常細胞もダメージを受けるので健康な人でも耐えられないような副作用があることが問題となっています。
このブログでがんにはビタミンCが効くことを紹介しました。(「ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く 生田哲著 を読む」http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2011-12-03)
この本は、そのビタミンCの効果をさらに上げる方法を紹介しています。
この本の主張は、「がん細胞はブドウ糖を絶てば死滅する」ということです。
がんの民間治療として絶食療法は昔から知られていたようです。これは食事を制限した時に、人間の体は生命維持のためのエネルギ―供給(脳や心臓など重要な臓器)を優先するため、がん細胞に栄養が行かなくなるというロジックのようです。このブログでも紹介した石原結實先生は、がんは長年の高脂肪食の食べ過ぎによる血液の汚れが原因と主張されていますので、この絶食による血液の浄化、がん治療の効果は確かにあるように感じます。
この本によると、がん細胞はエネルギーとしてブドウ糖しか利用できないそうで、ブドウ糖を制限するとがん細胞が死滅するということです。最近ダイエットでよく行われている「糖質制限」を行うことで、体内に代替エネルギーとして脂肪酸が分解してできる「ケトン体」が造られます。体内の正常細胞は「ケトン体」を利用できますが、がん細胞はケトン体をエネルギーとして使うことができないので、痩せ衰えて行くそうです。
そして、がん細胞の唯一のエネルギー源であるブドウ糖と構造が似ているのが、ビタミンCです。糖質制限を行っている状況でビタミンCを大量(25~100g)を点滴する治療を行うことで、がん細胞がビタミンCをブドウ糖と間違えて取り込みビタミンCが発生する過酸化水素によって死滅することになり、ビタミンC療法の効果が上がると言われています。
【私が愛用している仙台勝山館のMCTオイルです】
この糖質制限は、1920年代に米国メイヨークリニックで「ケトン食療法」が発案され、この時は、90%以上のカロリーを脂肪から摂取していたそうです。1960年代には、中鎖脂肪酸によってケトン体の再生効率が上がったため、脂肪摂取割合は50%に下がったそうです。中鎖脂肪酸は、以前紹介した(究極のダイエット - 脂肪を摂るとやせる! シリコンバレー式 「自分を変える最強の食事」を読む:http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06)で書いたように、私もダイエットで利用しています。ココナッツオイルやMCTオイルを摂取することで、体内でケトン体を作ることができます。中鎖脂肪酸の良い所は、通常はブドウ糖が枯渇した時に生成されるケトン体がブドウ糖があっても生成されることです。(がん治療にはダメですが…。)
極端な糖質制限はいろいろな弊害もありますので、『シリコンバレー式 「自分を変える最強の食事」』では、必要な炭水化物も摂りつつ、ケトン体による脂肪燃焼効果を得るため、この中鎖脂肪酸を強力な武器としています。
しかし、このように昔から知られている有効で簡単ながん治療が、なぜ現在主流になっていないのでしょうか? やっぱり効果が無いんじゃない? とみなさん疑問に思うでしょうね。私もそう思いました。
いろいろな理由を考えてみましたが、やはり「医者や製薬会社が儲からないから」というのが大きな理由ではないでしょうか? 糖質制限、中鎖脂肪酸(ココナッツオイル、MCTオイル)、ビタミンCなどダイエットの延長でがんが治ってしまうと困る人たちが沢山いるのだと思います。(あくまでも私の意見ですので、ご自分で判断して下さい)
がんの多くは生活習慣病と言われています。健康的な食生活、日常生活を行うことで病気が治るというのは、至極当然ではないでしょうか?
この本の中には専門的な化学式が沢山出てきて読みにくい部分もありますが、健康に興味がある方にはお勧めの一冊です。
このブログの目次です。
http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-04-17-1
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2016-09-04 20:50
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