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マネジメント革命 天外伺朗著 を読む [ビジネス]

天外伺朗氏のマネジメントに関する本です。

マネジメント革命 「燃える集団」を実現する「長老型」のススメ








天外氏は、元ソニーコンピューターサイエンス研究所の所長土井 利忠氏のペンネームです。氏はソニー時代、CDやAIBOなどの開発を手掛けていた技術者ですが、日本の企業をおかしくしたのは、アメリカから輸入した「成果主義」だと主張します。
●成果主義は会社をダメにする
 理性的、論理的、合理的な発想は時には物事をスムーズに進める妨げとなる
 ・成果は数値化が難しい
 ・人間関係がギスギスする
 ・事業部が目先の利益に走り部分最適に走る
 ・フローに入れない

ここでいう「フロー」とは、仕事に没頭している状態精神状態のこと心理学者のミハイ・チクセントミハイによって提唱されています。
●フロー状態
 ①行為の集中・没頭
 ②高揚感
 ③雑念がない
 ④時間感覚の喪失
 ⑤自分自身の喪失
 ⑥場を支配している
 ⑦周囲との調和感

ソニー時代の画期的な製品は、エンジニア達がフロー状態になって開発していたと言います。そして、フロー状態は偶然を呼び、不思議と運がよくなるとのことです。例えば、新製品開発に絶対必要な部品が偶然に開発されていた、などのようなことが起こっていたそうです。

氏は、日本の企業は成果主義ではなく、指示、命令をしない空気のような上司がいる「長老型マネジメント」が良いと主張します。天外氏はSONYの創業者の一人である、井深大氏をこの長老型マネジメントの理想的な姿だと言います。信頼感がある、合理性を超えた所に正解がある、Decisionは現場にまかせる、などがその重要なファクターだとのことです。
●すぐれた上司は1%以下しかいない
 ・ダメな上司をすぐれた部下がカバーする
 ・「マネジメントは部下より上位にあるべき」は錯覚
  ⇒ 部下をDecisionできる人間に育てることが重要
 ・「やり過ごし」、「尻ぬぐい」こそが日本企業の強さの秘密

ただし、天外氏はダメ上司をフォローしていたすぐれた部下もマネジメントになるとダメ上司になってしまう、とも言います。(笑)
現在の企業(特にSONYを意識しているのでしょうが)は、スーパーエンジニアが生き生きと仕事に没頭できる集団(燃える集団)になっていないことが、画期的な発明が生まれない原因だと述べています。

最近では、成果主義の弊害はいろいろな人が指摘していますが、この本が出た当時はかなり衝撃的な発言だとの印象を持ちました。マネジメントに興味があれば、ご一読をお勧めします。



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