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これはジョークではない! 金正日は日本人だった 佐藤守著 を読む [社会]


金正日は日本人だった
以前、 このブログで紹介した、「実録 自衛隊パイロットが接近遭遇した UFO」の著者である佐藤守氏の本です。
最初にこの本の題名を見た時はてっきりジョーク本かと思いましたが、Amazonの書評を見てみると、思いのほか高評価なので興味を持って買ってしまいました。


佐藤氏は、元自衛隊の空将というキャリアを持っており、旧陸軍、海軍の先輩方にいろいろと話を聞いて情報を集めたようです。
そして、その情報から得られた結論がかなり衝撃的なものです。
金正日が日本人の血を引く、大日本帝国の落とし子であるという確度の高い情報を、私はある場所でつかんだ。そこから気の遠くなるような取材が始まった。すると、そうして得た数々の証拠は、にわかに信じがたいもの・・・・この情報を裏付けるものばかりだった。
北の独裁者、金正日は日本を思慕し続けている。彼の日本をこよなく愛する心根には、「親日派」と表現するだけでは済まない。悲痛な叫びにも似た一途な思いがある。日本人としての「遺伝子の咆哮」とでもいえば、しっくりくるようなー。
私は金正日が日本人であると確信している。そして、金正日が日本人であれば、未だに濃霧に閉ざされている朝鮮戦争の真実もほの見えてくるのだ。

結論だけ見るとなんとも荒唐無稽に聞こえますが、主張の内容をたどっていくと確かに信憑性がありそうな話です。事の発端は、佐藤氏が参加したある研究会で旧陸軍参謀本部の佐官だった老紳士に「金策(キムチェク)は、帝国陸軍が半島に残した残置諜者です」という話を聞いたことに始まります。そして、その残置諜者としての目的は、「戦後、朝鮮半島にソ連が進出して、わが国が赤化されることを防止するため」とのことです。

残置諜者とはなじみのない言葉ですが、この本によると戦後29年にフィリピンのルバング島で発見された小野田少尉も同様の任務だったようです。小野田少尉は、陸軍中野学校卒の情報将校で1974年に潜伏しているところを発見されましたが、頑としてジャングルを出ようとしなかったそうです。その後、説得に次ぐ説得の末、上官の命令解除があれば任務を離れることを了承しました。そして、元上司の谷口元少佐から口頭で「参謀部別班命令」を伝達して任務解除となりました。つまり、情報将校というのはそれほど任務に忠実である、ということです。

では、話を戻して金策(キムチェク)って誰だ? ということになりますが、彼が金正日の父親だということです。でも、金正日の父親は金日成では? と疑問がわきますよね。

金策は金日成たちと共に抗日活動を行い、朝鮮共産党系組織に入って後、中国共産党に入党して中共北満省委員会書記へと出世します。しかしその後、日満の軍警の弾圧が厳しくなったため、ソ連に亡命して戦後になって朝鮮半島に戻ります。つまり、金策は金日成と同様に対日抗戦の英雄だったのです。しかし、その後の朝鮮戦争で戦線司令官として指揮をとっていましたが、1951年に他界します。この死は変死だという噂が絶えないそうです。

しかも、朝鮮の英雄である金日成を名乗る人物は四人以上いたそうです。抗日パルチザンの英雄の名前は、競ってみなが使いたがり、受け継がれていったようで、私たちが知っている金日成もそのような英雄伝説を受け継いでいた一人のようです。そして、金日成28歳、金策38歳の1941年1~6月の間、金日成一家と金策は同じ野営で暮らしていたそうで、その時にできた子が金正日だというのがそのストーリーです。(金策はその当時「金日成の師」という立場だったそうです)

まあ、この結論だけだと説得力がありませんが、この本にはいろいろとその当時の状況も詳しく書かれています。

興味深かったのは、「金日成の政策や行動は日本の天皇制を模範にしている」ということです。具体的には、軍隊の統帥権を握っており、唯一主義で絶対権力を世襲制で子供にゆずるという点です。特に世襲制は、今回の金正日の後継者の時も中国から「共産主義に世襲制はなじまない」とクレームが付いていましたね。

●金正日は日本好き
金正日の日本好きは有名で日本人である藤本健二をお抱え料理人として雇い、日本料理を楽しんでいたそうで、藤本氏の本から金正日が日本好きであることが分かります。


  • 寿司、すき焼き、うな丼、マツタケご飯などが好きだ。すき焼きやしゃぶしゃぶの肉は万景逢号で送ってくる松坂牛を使っていた。また、日本のインスタントラーメンも大好物だった。
  • 金正日の愛車はトヨタのセンチュリー。同じくトヨタの「セルシオ」を7台購入したが、北朝鮮の悪路のため半年でお払い箱になったとのこと。
  • カラオケでは、よく日本の歌が歌われていた。金将軍のお気に入りは「ラバウル小唄」だった。映画は寅さんが好きだった。
  • 金正日がプリンセス天功を気に入ってたびたび北朝鮮に招いていたのは周知のこと。
  • 金正日は日本の衛星放送を好んで見ており、一番好きなのは皇室関係の番組らしい。
  • 「喜び組」は、赤坂のレストランシアター、コルドンブルーの女性ダンサーを見た金正日が同じようなものを作ったとのこと。しかも、金正日は、1982年5月にコルドンブルーを訪問し、スナップ写真もある。

●拉致問題

さて、金正日と言えば2002年9月の小泉首相との日朝首脳会談ですが、この時に金正日は日本人の拉致を認めました。なぜ金正日が拉致を認めたのかは佐藤氏も分かっていないようですが、これは日本に大きな衝撃を与えました。

日本海側で、北朝鮮工作員による拉致があることは、そのず~っと前から地元の人や警察、関連した本を読んだことのある人は知っていました。しかし、直前まで社会党の政治家たちは「拉致など存在しない」と強弁していました。そして、一般の人も拉致の話をすると「工作員なんて小説や映画の見過ぎじゃない?」なんてよく言われました。TVや新聞しか見ない人たちは、情報遮断によって「洗脳」されていたという良い例だと思います。最近は、Webの浸透によって、いろいろな情報が個人に直接入るようになっていますので状況はよくなっていますが、「自分で情報を理解して判断する」ということが重要になりますね。

まあ、正直言って私は金正日が日本人だろうとなかろうと好きにはなれそうもありませんが、このような内容に興味がある人にはお薦めの一冊です。

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このブログの目次です。
http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-04-17-1

実録 自衛隊パイロットたちが接近遭遇したUFO自衛隊エリートパイロット 激動の時代を生きた5人のファイター・パイロット列伝 (ミリタリー選書 22)[図解]これが日本の戦争力だ!  北朝鮮、暴発!?そのとき、日本はどうなる?どうする!



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Simple

TBM さん

いつもNice! ありがとうございます。
私も林さんの本は読みましたが、ほとんど内容は思い出せません。
やはり、読んだものをブログにUpしないと記憶に残りませんね。
by Simple (2011-02-12 00:18) 

Simple

ヤッさんパパ さん

Nice! ありがとうございます。
連休なのに雪なんていやですね。

by Simple (2011-02-12 00:51) 

Simple

SORI さん

Nice! ありがとうございます。
ご紹介のイタリア料理、おいしそうですね。
コースで1680円は安い! 見ていてお腹がすいてきました。(笑)
by Simple (2011-02-12 11:14) 

mo_co

ほんと、情報遮断っておそろしいですね〜。
今回もまた勉強になりました。
ありがとうございます。
by mo_co (2011-02-12 12:40) 

Simple

mo_co さん

Nice! & コメントありがとうございます。
ご紹介の学園祭おもしろそうですね。
「「教育」と「洗脳」の違いとは何でしょうか? 」 興味深いです。

by Simple (2011-02-12 18:37) 

Simple

RONRON さん

Nice! ありがとうございます。
『人生逆戻りツアー』、面白そうな内容ですね。
書店で探してみます。

by Simple (2011-02-12 18:41) 

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