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真樹先生を偲んで 史上最強の69 東邦出版編 真樹日佐夫黙認 を読む [真樹日佐夫]


史上最強の69
【謝罪】大変な間違いをしてしまいました。
この本、「真樹日佐夫著」と書いてしまいましたが、
東邦出版編 「真樹日佐夫黙認
が正しい表記でした。(^^) お詫びして訂正いたします。

2010年の4月に真樹先生69歳の記念に出された本です。

高田馬場の駅前にある芳林堂書店で「真樹日佐夫追悼」と紙が貼ってあり、真樹先生関連の本が並べられていましたので、思わず2冊買ってきました。そのうちの一冊を紹介します。
これは真樹先生の知人が真樹先生について語っている本で、真樹先生を直接知らない私たちにとって貴重な一冊だと思います。

Amazonに出ている内容紹介から
内容紹介
日本一ヤバい不良、その名は真樹日佐夫。
“最強”にして“最兇”の69歳の男を、各界の著名人が語る!!
映画監督、俳優、女優、空手団体館長、格闘技団体代表、格闘家、プロレスラー、ミュージシャン、歌手、落語家、 クラブママ、作家、劇画家、出版社社長、編集者など総勢40人が証言する、真樹日佐夫の正体とは--。
吉田豪による真樹日佐夫インタビューも掲載。他、門下生、船のクルー、SM嬢へのインタビューなど。

【寄稿】
哀川翔、飯塚則子、伊藤隆、猪瀬直樹、内田裕也、大槻ケンヂ、大津ひろ子、小笠原和彦、小沢仁志、影丸譲也、ガッツ石松、桂歌蔵、叶麗子、牛次郎、清田民子、倉田保昭、栗原早記、崔洋一、桜庭あつこ、佐藤勝昭、佐山サトル、シーザー武志、添野義二、高須基仁、永倉大輔、浜井識安、藤原敏男、藤原喜明、松井章圭、松方弘樹、三池崇史、緑健児、村上和彦、村上竜司、本宮泰風、保川敏克、山田英司、由井恵美、力也、廬山初雄 内容(「BOOK」データベースより)
日本一ヤバい不良、その名は真樹日佐夫―彼について、多くの友人が綴った文をまとめた一冊。

【現代カラテマガジン Vol159 昭和61年6月号】より
maki4.JPG


多くの人が69歳の真樹先生を語っていますが、そこから浮かび上がってくる先生の顔は...。

①外見は非常にコワイ (^^)
②69歳になっても毎日空手の稽古を続けている
③酒を飲む量がハンバではない
④女性にとてもモテル
⑤意外にも、とても優しく、照れ屋である

特に、①と⑤の大きなギャップによって、みんな真樹ワールドにはまっているようです。




この中から、いくつか興味深いものを紹介します。
まずは、コワイ真樹先生についてです。
●桜庭あつこ (女優)
私は社長から、ご飯を食べに行くということだけを伝えられ、社長と共に向かった (中略)
そこにはダークスーツを着た無表情の男たち。そして。とても緊張した様子の社長の顔。私はこんな表情をした社長を初めて見た。私は血の気が引くような思いを精一杯隠し、しっかりと前を見据えた。そこへ真樹師匠が現れた。
私は「ウ ・ ラ ・ レ ・ ル」と。そう思った・・・。
真樹師匠にお酒を勧められても、私は敢えてソフトドリンクを飲み、ただただ「どうやってこの場から逃げようか」と、そればかりを思っていた。
おなじみの山田編集長のコメントも最高です。この光景を見たかったですね。
●山田英司 (BUDO-RA BOOKS編集長)
そんな真樹先生が、世間ではなぜか恐がられている。一度、真樹先生と取材で蒲田の駅前を歩いていると、前からサングラスをかけた二人組が。真樹先生と正面衝突するかと思いきや、寸前、二人組は手前の店に入り、我々をやり過ごした。ちなみにその店はキティちゃんグッズでうまったファンシーショップ。
ヤクザ風の二人はキティちゃん人形を手にしながら、しきりにこちらを気にしていた。
真樹先生、恐るべし。

「ワル」の原作者であり、主人公そのものだと思っていた真樹先生ですが、お母さんをとても大切にしていたようです。
●佐藤勝昭 (佐藤塾塾長)
真樹先生はお母さんに対する思いが強い。梶原先生はお父さんのことをよく話したけど、真樹先生はお母さんのことをよく話す。一日4~5箱吸ってたあのヘビースモーカーが、お母さんに「身体に悪いからやめなさい」と言われたときからぱっとやめちゃった。
ある日、「先生、タバコは?」って訊いたら、おふくろにこう言われたんだ、って。それ以来吸っていない。大山館長の前でも吸っていたのに、真樹先生のようなワルでも、お母さんの言葉っていうのはすごいんだね。
大山館長に誘われて極真会館に入門したものの、最初は相当可愛がられたようですね。それを乗り越えた先生はやはりすごいです。
●添野義二 (士道館創始者)
昔、大山総裁が「真樹をしごけ」って言って、みんなの目の仇みたいにされて、それでも真樹先生は潰れなかった。
正直言って、あれだけしごかれたら辞めてしまうと思ったけど、続いたのはすごいと思う。(中略)
でも真樹先生は誰にも媚を売らない人で、大山総裁にもけっこう逆らっていた。自分のスタイルを貫いてたんだね。人の命令はきかないし。だから空手も続けたんじゃないかな。
次は真樹先生の恋愛観についてです。さすが先生です。
●三池崇史 (映画監督)
「本物の愛とは、奪うものなんじゃ」
「う、奪う ・・・」
「そうじゃ。欲しいものは力ずくでも手に入れる。クスリ漬けにしようがなんだっていいんだよ」
「は? クスリ ・・・。 あの、相手の気持ちとかは ・・・」
「相手に気がなければ諦めるのか? キミは諦められるのか?」
「いや、まぁ仕方ないかなと ・・・」
「フン。それは愛じゃないよ、三池君。キミは本気で人を愛したことがないね。愛とは反社会的な衝動なんじゃ。だから美しく尊い」

最後に先生の健康に関してです。今読み返すとなるほどと思います。
●松方弘樹 (俳優)
先生に言いたいのは、「とにかく酒をやめて!」かな。先生は飲み過ぎです! (中略)
鍛えることも大事ですが、労わることも大事です。お酒をやめてください。先生、お願いします! 2歳年下の松方弘樹より。

「釘師サブやん」の原作者としてで真樹先生と同時期にマガジンで活躍した牛次郎氏の言葉には重みを感じます。
●牛次郎 (作家)
私が脳血栓で自坊で、昏倒して、救急車で、地元伊東市の病院に搬送されたのは、約二年前のことで、思えば、真樹さんと、熱海のハーバーで、彼の愛艇、豪華クルーザーの船上に招かれて、美味酒を酌み交わして、麻布の寿司屋で、再開を約したあと、一週間程後のことであったと記憶している。(中略)
真樹さん。倒れた後で言うのも変だけど、病魔はいつ牙を剥くか判らない。充分に、御尊体労ってください。

吉田豪氏による真樹先生へのインタビューの中で、ちょっと気になったのは...
稽古しないで酒を飲んでもそんなに美味しくないからな。大山先生もある時期から弟子たちと稽古しなくなったけど、あれは太り過ぎちゃったせいで医者に止められてたんだよ。メキシコで牛と戦ったとき、膝を壊したせいでさ。70歳で亡くなっただろ?俺ももうそろそろ亡くなったときの大山先生と同じ年になるんだよ。

酒、空手、女性、ケンカ、作家活動、プロモーター活動などすべての分野において人の何倍もの人生を歩んだ真樹先生を知るには最高の一冊だと思います。


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このブログの目次です。
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ああ五十年身に余る―真樹日佐夫ワル自伝真樹日佐夫の百花繚乱交遊録絶対に勝てるケンカの手順―実戦対応最新版 (BUDO‐RA BOOKS)哀しき空手王兄貴―梶原一騎の夢の残骸 (ちくま文庫)格闘家は女々しい奴が9割すてごろ懺悔―あばよ、青春

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コメント 8

Simple

alba0101 さん

Nice! ありがとうございます。
松田選手のメモリアルゲームがあったんですね。
豪華メンバーですね。見たかったです。
by Simple (2012-01-22 22:32) 

Simple

TBM さん

Nice! ありがとうございます。
弓道、ずっと続けているんですね。尊敬します!

by Simple (2012-01-23 23:53) 

Simple

タッチおじさん さん

Nice! ありがとうございます。
サーキットに行くと血が騒ぎますね。
by Simple (2012-01-24 00:04) 

Simple

mo_co さん

Nice! ありがとうございます。
「ホメオパシーは非科学的」の件、覚えていますよ!
新聞での論調もおかしなものでしたね。
by Simple (2012-01-24 00:11) 

タッチおじさん

お早う御座います
今朝は寒いですね、暖かくして
風邪などに注意して下さい
ご訪問有難う御座いますm(__)m。

by タッチおじさん (2012-01-24 09:09) 

Simple

mizuho さん

Nice! ありがとうございます。
錦織くん、頑張ってましたね。
でも、勝ち上がっていくと試合数が増えるので、その分の体力が必要ですよね。これからが、本当の勝負だと思います。
あと2試合勝ちあがれるだけの体力、気力がつくかどうかですね。
by Simple (2012-01-27 23:08) 

Simple

マチャ さん

Nice! ありがとうございます。
山陵町、私もGoogleで地図を見てみました。
本当に古墳が多いんですね。ビックリしました。
でも、古墳って、みんな同じ方向を向いていると思っていましたが、微妙に違うんですね。
by Simple (2012-01-27 23:19) 

Simple

こっちゃん さん

Nice! ありがとうございます。
渡辺淳一と言えば、昔「阿寒に果つ」辺りを読んでいました。
地元民から言えば何故阿寒湖なんだ? やっぱり摩周湖だろ!
と思っていました。(笑)
by Simple (2012-01-28 17:55) 

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