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50歳からは炭水化物をやめなさい 病まない・ボケない・老いさせない腸健康法 藤田紘一郎著 を読む [ダイエット]


50歳からは「炭水化物」をやめなさい。 ~「病まない」、「ボケない」、「老いない」体をつくる腸健康法~
著者の藤田先生は、1939年旧満州生れ。東京医科歯科大医学部を卒業し、東京大学大学院医学系研究科博士課程を修了。医学博士。金沢医科大学大学院教授、東京医科歯科大学大学院教授を経て現在は同大学名誉教授。専門は、寄生虫学と熱帯医学、感染免疫学です。

私も藤田先生の本は何冊か読んだことはありますが、ほとんどが寄生虫の話で、「日本人に花粉症が増えたのは、寄生虫を撲滅してしまったからだ」という主張を行っており、ご自分でもサナダムシと共生していたそうです。そんな寄生虫博士が「糖質オフ」の本を書いていたので不思議に思って読んでみました。

この本の主旨は、以下の通りです。
①人間の体は50歳を境に大きく生理機能が変わる。
⇒ 「がん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病」の四大疾病の患者が50歳を境に急増する。
②人間の寿命を決めているのは、
・ミトコンドリア、テロメア、長寿遺伝子、腸内細菌 である。
⇒ 「ミトコンドリア」、「長寿遺伝子」を活性化を高められるのは50歳を過ぎてから。

藤田先生は人間には本来、100歳まで元気に生きられる遺伝子が備わっており、その遺伝子をうまく使えば125歳まで生きられるとのことです。そして、そのために重要なのが、「食べ方」だということです。
私たちの体内でエネルギーを作る方法は2種類あります。
①「解糖エンジン」:酸素を使わずに糖分を燃料としてエネルギーを作る。主に炭水化物を糖に変える。瞬発力がある。
②「ミトコンドリアエンジン」:酸素を燃料としてエネルギーを造り出す。瞬発力は弱いが持続力に優れる。
私たちは、この二つのエンジンのハイブリッドエンジンで活動していますが、若い時は①の「解糖エンジン」がメインですが、やがて②の「ミトコンドリアエンジン」がメインに移行します。その切り替え時期がだいだい50歳だということです。
以前紹介した「糖質オフダイエット」(http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2013-01-19)ですが、このエンジンの切り替えを考えると、50歳以上の人には効果的ですが、若い人には意味がないということになります。
実際にこれをやった若い人に聞いてみると、ふらふらになって、3日ももたなかったと言っていました。 それもそのはず。若いときに体を動かす燃料となるのは「糖」なのです。そして、「糖」とは甘いものだけでなく、炭水化物を分解して作られているのです。炭水化物をとらなければ、他の栄養をとっていたとしても、エネルギーが湧かないのは当然のことです。(中略)
若い人が「炭水化物抜きダイエット」を長くやるべきではありません。全体のエネルギー量が減り、活力を保てなくなります。

つまり、40代までは炭水化物を食べないとダメ、ということです。そして、50代を越えると、「ミトコンドリアエンジン」に切り替わるので「糖質」が栄養にならないのだということです。
「ミトコンドリアエンジン」は、地球上が酸素に覆われ、表面温度が高くなる中で築かれたエネルギー系です。ですから、酸素が豊富で体温が高い状態でよく動きます。
そのため、50歳以上の人は体を冷やさないようにして、できるだけ体温を高く保ち、酸素をたくさん吸い込むような体の動かし方がいいといえるでしょう。そして、50歳以上の人にとって注意すべきことは、「糖質を取り過ぎると、老化が加速する」ということです。その理由は以下の通りです。
50歳を超えても糖質を必要以上にとっていると、体に困ったことが起きます。「解糖エンジン」が再び活発に動き出してしまうのです。メインエンジンが切り替わったはずの年齢で「解糖エンジン」が活性化すると、「ミトコンドリアエンジン」がうまく働けなくなるのです。「ミトコンドリアエンジン」は、酸素を原料とするので、多くの酸素を取り込んでいます。しかし、「解糖エンジン」に邪魔され、「ミトコンドリアエンジン」が支障をきたすと、取り込んだ大量の酸素が活性酸素に変わってしまいます。

「活性酸素」は、みなさんご存じのように、酸化力が非常に強いため、私たちの細胞を酸化させて(サビさせて)傷つけてしまうのです。最近の研究では、老化や病気のほとんどはこの「活性酸素」が関与しているそうです。
藤田先生が、このような研究を始めるきっかけになったのは、63歳の時に糖尿病になったからだそうです。その時に、糖尿病専門医による徹底的な食事療法を行ったそうですが、先生の高血糖は思うように改善さなかったそうです。
この頃の私は、食事のたびのカロリー制限にイライラしながらも、確かに高糖質低カロリーを厳守した食事を実践していました。ステーキなどの脂質の摂取は極力控え、摂取エネルギーの約六割は白米や麺類などの糖質に当てていたのです。(中略) 私の体はすでに糖質は不要なのです。このことに気づいたとき、私は糖質の摂取をいっさいやめてみました。すると、血糖値はみるみる正常範囲に落ち着き、中性脂肪も減ったのです。

また、最近南雲先生の本で有名になった「テロメア」についても書かれています。「テロメア」とはDNAの中にある染色体の末端にある構造体で、これによって細胞の寿命が決まっているそうで「寿命の回数券」と言われています。つまり、このテロメアを大事にして、回数券をできるだけ無駄にしないことが長寿のカギだということです。
そして、テロメアを確実に消費するのが、先に書いた活性酸素だとのことです。

その他、この本に書かれているポイントを書いてみます。
・活性酸素を消すには「フィトケミカル」が重要。⇒ 香り、苦み、辛みの強い野菜を食べる
・味噌汁やスープで細胞を丸ごと食べる。 ⇒ 野菜を煮ることで細胞膜を破壊して野菜のフィトケミカルが煮汁にとけだす
・「硬度の高い水」が不老のクスリ
・長寿遺伝子のスイッチをオンにするのは、「カロリー制限」と「運動」だ
・コレステロール値は、少々高い方が長生きできる
・50歳すぎたら週に2,3回は「お肉」をフィトケミカルと一緒に食べる
・50歳を過ぎてからの「マラソン」は危険!

50歳を過ぎた私にとって、この本はとても参考になる本です。

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このブログの目次です。
http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-04-17-1

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