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円安にするには円を刷ればいい! 「経済ニュース」はウソをつく 日本経済の真相 高橋洋一著 を読む [社会]


日本経済の真相
『小鳥の脳』にはこれくらい食わせておけばいい
著者が霞が関にいた時に、よく耳にしたフレーズだそうです。霞が関の役人が作る政府予算の資料は、2,000ページもあるそうですが、マスコミ用に50ページ(約3%)程度の要約史料を作って、それを元にニュースが作られているそうです。つまり、マスコミの人たちは、わずか3%の官僚が用意したニュースソースを元に記事を書いているのです。そんなマスコミの記事が正しいと思えるでしょうか?
もう15年以上、私は新聞をまともに読んでいない。
その私がなぜ「日本経済の真相」を知っているのか?
著者の高橋洋一氏は、1955年東京生まれ。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年大蔵省(現・財務省)入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事、総務大臣補佐官、内閣参事官などを歴任。現在、株式会社政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授です。

この本は、高橋氏が22項目の俗論に対して、氏の考える真相を書いたもので、非常に分かりやすい内容です。まず、現在の円高について書いていることをピックアップしてみます。
俗論:異常なまでの円高、打つ手なし
真相:解決は簡単。円を刷れば円安になる
・円は「絶対量」が少ない。だから円高になって当たり前。
・円高について「欧州危機によって消去法的に日本が買われている」といった説明がされることがあるが、実は為替相場はもっとシンプルな理論で決まっている。
・大まかに言えば、日本の円の量を米国のドルの量で割ると、為替レートが計算できる。ここではざっくりとした数字を使うが、日本のマネタリーベースはおおよそ130~140兆円、米ドルは2兆ドルで、130~140兆円を2兆ドルで割り算すると、1ドルはおおよそ65~70円だ。信じがたいだろうが、意外とシンプルなのである。
・円安にすれば、株価が上がり、税収も増える。
・日銀にお金を刷らせれば、円高、株価、税収と、いろいろな問題がいい方向に向かい、いい循環が生れるということだ。

高橋氏は、小泉政権、阿倍政権の時に内閣参事官だったそうで、その当時のレ―トは、ほぼ1ドル120円で、日銀を牽制し金融政策をすすめ、為替レートを維持し、株価を高く保持してきたそうです。
安倍政権の最後の頃、日経平均株価は1万8,000円程度だった。2012年1月時点の株価はおよそ8,500円弱である。

この本は、1年以上前の2012年2月に出されたものですが、安倍首相が、アベノミクスを掲げてから、円安、株価上昇が進み、3月15日現在で、1ドル95.25円、株価は1万2,560円まで上がっています。まだ実際に日銀がお金を大量に刷っているわけではありませんが、首相が変わるだけでこれだけ経済に良い影響が出るとは驚きですね。反対派の人たちは、アベノミクスの悪い面をいろいろと主張していますが、現在よりもひどい状況になることがあるのでしょうか?
それにしても民主党政権の3年間は何をやっていたのか?と言いたい。民主党時代にやった、効果のない何兆円もの為替介入に関しては、「金を返せ!」と言いたいです。

今の円安、株高は裏付けのない市場のムードによるものだと思いますので、このまま何もしないと、また元に戻ってしまうように思います。高橋説では円を60兆円刷れば、実力として1ドル100円になるはずですので、株価もさらに上がって企業の景気も上がるはずです。ぜひとも早くやって欲しいですね。

それ以外にも、以下のような内容が22項目書かれています。
1.俗論:異常なまでの円高、打つ手なし
真相:解決は簡単。円を刷れば円安になる
2.俗論:日本のデフレ、原因は人口減少
真相:人口は無関係。デフレはお金不足で起こる
3.俗論:景気が悪い以上、株価低迷はやむなし
真相:円安にすれば日経平均1万3000円も可
4.俗論:オリンパス、大王製紙、2社の不正は深刻
真相:不正経理は2社に限らない。まだ隠れている
5.俗論:原発再稼働がないと日本は電力は不足する
真相:需給データに疑いあり。電力会社の利潤独占
6.俗論:TPPで日本の産業はダメージを受ける
真相:プラスの経済効果あり。参加しないと損
7.俗論:ユーロ崩壊を防ぐにはギリシアを救済すべし
真相:破綻は当然。ユーロ離脱が立て直しの条件
・・・・・・・・・・

その他にも「メディアにダマされず真実を見抜く」と題して、私たちの情報に対する考え方を教えてくれます。
新聞は正しく書いてあるように思えるが、それは自分に関係していないからわからない(正しく見える)だけだ。自分に関係している話や、自分が精通している分野の記事を注意深く読めば、「新聞はこういうふうに書くの?」と疑問を持つ人が多いだろう。

これはみなさんも経験されたことがあると思います。自分の勤めている会社や所属する自治体に関する記事で、まだ噂段階のものが、事実のように書かれていることがよくあります。そのようなことがあると、「新聞は何ていい加減なんだろう」と思いますが、それ以外の記事に関しては信用してしまいますよね。でも、自分に関する事は、不正確だけどもそれ以外は正確なんてことはあるわけがありません。基本的に、全体的に不正確だと考えた方が正しいと思います。

みなさんに読んで欲しい、お勧めの一冊です。

【追記】
大事な事を書き忘れていました。
80年代後半から90年代始めまでのいわゆる「バブル景気」を終わらせたのは、大蔵省時代の高橋氏だと書いてあります。当時、株の売買の回数が異常に高くオリンパス事件のような不正の温床となっていたそうです。
それだけでは私も踏みきれなかったが、自ら証券会社の検査をした結果、不正がいくつも発見された。かなり細かいところまで目を通すので、帳簿書類で動かぬ証拠を探してしまう。
これは普通の状態ではないと確信し、大蔵省幹部にいくつもの不正の例を挙げた上で、「このままでは大変なことになる」と進言した。
規制する前、私は大蔵省内の会議で、「この規制を出すと株価が下がるが、それでもいいか。ただし、放っておいたら株価はさらに上昇し、もっと高いところから落っこちることになる」と言った。国内経済はバブルの状態にあり、株価が下がってもいい、というのが、当時の大蔵省の見解であった。
1980年末には日経平均株価が4万円に近付いていたが、規制後は大きく下落。1990年元旦の新聞では予想株価が6万円とされていたが、10月には2万円を割り込んだ。
「下がったのはおまえのせいか」と言われたら、きっかけはそうである。
この規制のおかげで、6万円からのハードランディングではなく、4万円からのソフトランディングにすることができたとのことです。

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アベノミクスで日本経済大躍進がやってくる (現代ビジネスブック)経済復活 金融政策の失敗から学ぶ高橋教授の経済超入門グラフで見ると全部わかる日本国の深層財務省が隠す650兆円の国民資産日本人が知らされていない「お金」の真実

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krause

高橋洋一氏の著作は、とても興味を持って読んでいます。とても参考になりました、ありがとうございます。
by krause (2013-03-18 18:33) 

Simple

krause さん

Nice! & コメントありがとうございます。
高橋氏の説は、Simpleですが、裏付けもあり説得力があります。このまま、円安、株価Upして欲しいですね。
アベノミクスに反対する人は、このまま何もしない方が良いと思っているのでしょうか?
by Simple (2013-03-18 21:02) 

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