SSブログ

【思想劇画】属国日本史 幕末編 副島隆彦著 を読む [歴史の真実・陰謀論]


属国日本史 幕末編
この本は、副島氏の本としては珍しい劇画の形をとっていますが,
副島氏が昨年も話題となった坂本龍馬などの幕末の志士たちによって成された明治維新を別の視点から見たものです。特に、団塊世代に大きな影響を与えた司馬遼太郎による一連の作品によって作られた「司馬史観」を徹底的に攻撃しています。
この本は2004年に出されたのですが、1,600円の本が中古市場で逆に2,500円くらいに値段が上がっています。
日本は開国するしかなかったという考えを疑ってみよう。
なぜなら、幕末期の外国勢力(イギリス・アメリカ)とは、日本を食い物にする侵略者以外の何ものでもなかったからだ。
尊王攘夷という思想を、後世、計画的に骨抜きにした者たちがいる。
明治の元勲」と後に、呼ばれた者たちだ。
実は、偽りの偽物の尊王攘夷派が、裏で、外国勢力とつながって、武器・弾薬、軍資金を与えられて、明治維新は出来上がったのだ。
私たちは300年続いた古臭い幕藩体制では海外の列強には対抗できないため、やむなく明治維新を行い開国して列強に対抗したと学校で学び、そう信じてきましたが、副島氏はそれに対して疑いを持って見ています。明治維新は、薩長が幕府を倒して成し遂げられましたが、考えてみると幕府はすでに大政奉還していますから、幕藩体制を維持したまま天皇を中心とした国家を作り外圧に対抗することもできたかも知れません。

文久三年(1863年) 日本の金貨(小判)をどんどん奪い取り流出させる外国の強欲なやり方を見かねたのが、十四代将軍・徳川家茂である。根っからの外国嫌いである孝明天皇と手を結んだ。(中略) 尊王攘夷の思想はここですでに死んでいる。このときの長州がやった裏切りこそが、日本国をおかしくした。この開国派であることを隠し続けた偽物の尊王攘夷の連中がやったことが、日本をおかしくしていった。
慶応二年(1866)7月20日薩長の秘密同盟が締結された。第二次長州征伐の最中、家茂将軍は大阪城中で奇怪な死を遂げている。享年二十一歳。
慶応二年(1866)12月25日幕府と朝廷の同盟(公武合体)の姿勢を崩さなかった孝明天皇も、全身から血を噴出して突然の死をとげる・・・享年三十六歳。
なぜ、天皇と将軍があいついで続けざまにこの世を去ったのか?
もはや説明するまでもないだろう。彼らは暗殺されたのである!
家茂と孝明天皇の死因に関しては以前から暗殺説はあったようですが、確かに当時の状況を考えると可能性は高いように思います。副島氏は、長州の尊王攘夷思想を唱えていた志士たちがいつの間にか開国派として動いたことを徹底的に批判しています。そして、本物の勤皇の志士たちはイギリスによって操られた薩長の「志士」たちにみんな殺されてしまったと主張します。
ここで、日本の運命は決定づけられた。日本は、神の国であることをやめ、この後、イギリス・アメリカの属国になり果てて行ったのだ!
私は、日本国を貶めるためにこの劇画を発表するのではない・・・
幕末の英雄たちが実現したことになっている「日本の夜明け」・・・
しかし、あれは本当に「夜明け」だったのだろうか?
日本は、なしくずしの開国ののちに、誇りある素晴らしい国になったというのか?
幕末という時代を純粋な若者たちによる英雄物語としてにみ描き、今の日本人が「真実をみつめよう」とするのを邪魔した司馬遼太郎を、私は許すわけにはいかない。(中略)
坂本龍馬は本当に英雄なのか? 高杉晋作は幕末維新のヒーローなのか? 西郷隆盛は一世一代の英傑なのか?
決して、そんなことはない! 彼らには裏がある・・・・
1863年1月31日、長州藩士たちが品川御殿山に建造中であったイギリス公使館を襲撃して燃やします。この焼き討ちに加わっていたのが、維新の元勲と言われる高杉晋作、伊藤博文、井上馨、久坂玄瑞、品川弥二郎らの面々です。
ところが、襲撃からたった五カ月後に、のちの内務卿伊藤俊輔(博文)と井上聞太(馨)は、なんとイギリスに密航して、ロンドンにいるのである。
こんなバカな、ふざけた話があるだろうか?(中略)
「伊藤!おまえは日本の初代総理大臣になった人間だろが! 国の代表になった人間の経歴に、わけのわかんないところがたくさんあるってのは、どういうことだ!」
「これ。伊藤。だからお前はNHKの大河ドラマの主人公になれないんだ。いつまでたっても。歴史の大きな真実の隠ぺいをみんなでしているからだ」
確かに、初代総理大臣である伊藤博文の伝記やNHKドラマは見たことないですね。長州の下級武士から総理大臣になったのですから、本来であれば田中角栄の時のように「今太閤」と呼ばれてもおかしくないですね。
伊藤博文に関しては、さまざまな暗い噂話はありますが、どの程度本当なのかは分かりませんね。

司馬遼太郎に関しては、副島さんにちょっと異論があります。
昭和40年代の日本経済の復興期に司馬遼太郎の小説が与えた影響はとても大きいと思います。企業戦士たちの中で仕事に行き詰まってくじけそうになった時に「竜馬がゆく」や「坂の上の雲」を読んで元気をもらった人は少なくないと思います。小説ですから、その内容が真実であるかどうかは関係ありません。たとえそれが真実でなくても、「竜馬も頑張ったんだから、自分だってできる!」と前向きな考えになることができれば、何も問題ないではありませんか!
その「司馬史観」が間違っているのであれば、その時に「実際は違うのよ!」 と指摘しなかったマスコミや専門家の方にこそ問題があるように思います。

最近、幕末~維新に関していろいろな人が外国勢力の介入を指摘していますが、そのような内容に興味がある方にはお勧めの本です。劇画ですから読みやすいですよ。

ブログランキングに参加しています。記事が気にいったらクリックをお願いします。
人気ブログランキングへ

このブログの目次です。
http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-04-17-1


世界権力者 人物図鑑 世界と日本を動かす本当の支配者たち[新版]日本の秘密ヨーロッパ超富豪 権力者図鑑属国・日本論



nice!(3)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 3

コメント 3

mo_co

日本は学校教育までもGHQに支配され、自尊心を持たず、罪悪感ばかり植えつけられるような教育になってしまったのですよね。
そういう私も、学校教育を何の疑いもなく受けてきました。
徹底的に勉強することなく、落ちこぼれないギリギリで来たのが、今となってはよかったのかな(笑)
おかげさまで、自尊心をそれなりに持ち、罪悪感はほとんど持たずに生きています。
by mo_co (2011-01-12 16:25) 

Simple

mo_co さん

Nice! & コメント ありがとうございます。
おっしゃる通りです。今の日本人に欠けているのがその自尊心でしょうね。
日本人に対するGHQの洗脳は、かの中国共産党も「非常に効果的であった」と絶賛しています。(笑)
文化大革命で自国民を2600万人殺害した中国人もアメリカ大陸でインカ帝国を滅ぼしたスペイン人も日本人のように自虐的ではないでしょうね。
by Simple (2011-01-12 22:01) 

Simple

RONRON さん、TBM さん

いつもNice! ありがとうございます。
by Simple (2011-01-16 02:09) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。