SSブログ

大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌 辨野(べんの)義己著 を読む [ダイエット]


大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌 (幻冬舎新書)
みなさんちょっと顔をしかめるであろう大便に関して書かれた本です。

著者の辨野(べんの)義己先生は、1948年大阪生まれ、酪農学園大学獣医学科卒、東京農工大学大学院を経て、(独)理化学研究所イノベーション推進センター辨野特別研究室特別招聘研究員。「うんち博士」としてTV、雑誌などで活躍されています。

大便は、食べたもののカスではありません。大部分は水分(通常80%)ですが、食べ物のカスは、その残りの1/3程度だそうです。残りは、はがれた腸粘膜と腸内細菌で、そして、その腸内細菌が辨野先生の研究分野です。わたしたちの大便1gの中にはなんと6000億~1兆個の腸内細菌が含まれています。そして、どのような腸内細菌で構成されているかは人によって全く違うとのことです。

大腸の中の細菌の種類は以下のように分類されます
善玉菌:食品中の糖質を分解して乳酸やアルコールなどを作る。(発酵させる)
⇒ 乳酸菌(ラクトバチルス、ラクトコッカス、エンテロコッカス)、ビフィズス菌(ビフィダム菌、ロンガム菌、ブレーベ菌)
悪玉菌:タンパク質やアミノ酸などを分解して硫化水素やアンモニアなどを生じる。(腐敗させる)
⇒ ウエルシュ菌、ディフィシール菌、フラジリス菌
日和見菌:その時の腸内環境によって強い方になびく細菌。

赤ちゃんの腸の中は、生まれる前は無菌状態ですが、出産の産道を通る時に母親から体内の細菌をもらい受け、24時間以内に1000億個以上にまで増えるそうです。これによって、赤ちゃんも母親から免疫機能を受け継いでいるのです。
同じように私たちの大腸内の腸内細菌の状態によって、その人の健康状態が決まるということです。腸内に善玉菌が多ければ、体の免疫機能がUpして病気に強い体になり、悪玉菌が多い状態では逆の状況になるのです。

よく知られていることですが、肉をたくさん食べる人は、ウンコの臭いがきつくなります。これは、腸内の悪玉菌が増えている証拠です。みなさんも毎日、自分のウンコの臭いに注意して、臭いがきつい場合は腸内環境が悪くなっていると認識しましょう。(オナラの臭いでも判断できるそうです)

女性に多い便秘ですが、これは非常に体に悪いということです。
女性はなぜ便秘になりやすいのか
便秘とはお通じが3日以上かかることを言います。ある調査では、日本人女性の48%が便秘で悩んでいるとの結果も出ました。おおむね2人に1人が、正常な便通を得られていないのです。
大便は便意をもよおしたときに出すのが一番です。ただし、排便をうながす直腸の蠕動運動は、1日に1~2回程度しか起こりません。(中略)そこでいつも我慢していると、直腸が便意を伝えなくなってしまいます。
つまり、便意をもよおした時になるべく出す、もよおさない時でも毎日決まった時間に出そうとすることが重要なようです。
また、ダイエットなどで大便の材料となる食べ物の量が少ないことも原因とのことです。
女性は、本格的なダイエットに取り組んでいなくても「なるべく食べる量を減らしたい」と思っている人が多いので、少食になりやすい。取り入れる材料が少なければ大便も少なくなり、出にくくなるのも当然です。
現代の20代の女性の腸年齢は平均45.7歳だったとのショッキングなデータもあるそうです。みなさんも腸内細菌を改善して、快食、快便できるような食生活を心がけましょう。

便秘は腸年齢の老化を促します。そして、腸の老化はお肌の老化に直結します。
便秘の人は吹き出物ができやすく、顔色が黒ずんで、お肌のツヤが失われます。大便が腸内に溜まったままだと、悪玉菌が生み出す有害物質が体内に再吸収され、全身の血管を駆けめぐるからです。それが皮膚に常在する細菌の活性を高めて、お肌を老化させる。まさに便秘は美容の敵なのです。
また、便秘は美容に悪いだけでなくがんの原因にもなるそうです。
2007年に大腸がんが、乳がんや肺がんを抜いて女性のがん死のトップになったそうです。その原因は、肉や加工肉の大量摂取、野菜不足、運動不足、アルコールの多飲などがそのリスクを高めるとされています。わが国の女性の場合、便秘も大腸がんのリスクを高める一因となっているのは間違いありません。
便秘や腸の老化を防ぐには、乳酸菌やビフィズス菌のエサとなる植物繊維の多い食事を摂ることが良いそうです。
大便がたくさん出れば、有害物質もそれだけたくさん体外に排泄されます。とくに食物繊維は、ほかの食べカスよりも有害物質を効率よく吸収してくれるので、腸内環境への貢献度は大。おなかの中を「掃除」してくれる、頼もしい存在です。便秘を防ぎ、腸を若々しく保とうとするなら、これまでの食生活を見直し、食物繊維をたくさん摂ることを心がけるべきでしょう。

実は私も「糖質オフダイエット」をはじめてから、便秘に悩んだことがあります。「糖質オフダイエット」では、肉などは自由に食べられますが、ご飯やパンなどの糖質を減らすものですので、同時に食物繊維もオフすることになるのです。私の場合、毎食ヨーグルトを食べて、ナッツ類を多く摂る事で快便が復活しました。

日本は、1910年代という昔から、整腸剤であるビオフェルミンが開発され、カルピスやヤクルトなどの善玉菌飲料が多くの人々に愛飲されている「プロバイオティクス王国」だそうです。(現在日本には約7500種類のヨーグルトが存在すると言われている)
そのような恵まれた環境を生かして、みなさんもヨーグルトを食べましょう!

以前、某ベストセラー本で、牛乳やヨーグルトは「腸相」を悪くする、ということが有名になりました。私もそれを読んで、牛乳やヨーグルトを食べるのをやめていましたが、辨野先生の長年の研究では、全く逆であると書いています。(‐‐;

健康に興味のある方には、必読の書だと思います。

ブログランキングに参加しています。記事が気にいったらクリックをお願いします。
人気ブログランキングへ
このブログの目次です。
http://simple-art-book.blog.so-net.ne.jp/2010-04-17-1


脳はバカ、腸はかしこい見た目の若さは、腸年齢で決まる (PHPサイエンス・ワールド新書)心と体を変える “底力” は “腸” にある 腸脳力腸はぜったい冷やすな! (光文社新書)50歳からは「炭水化物」をやめなさい。 ~「病まない」、「ボケない」、「老いない」体をつくる腸健康法~病気にならない生き方で、なる病気―機能性ヨーグルトが病気を防ぐ!

nice!(7)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 7

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。