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日本は現存する唯一の古代国家 「日本人はなぜ日本のことを知らないのか」 竹田恒泰著を読む [社会]


日本人はなぜ日本のことを知らないのか (PHP新書)


ご存じ、明治天皇の玄孫である竹田恒泰氏の本です。

この本は、「日本は現存する唯一の古代国家」であるという事を、当時者である日本人がほとんど知らないことに問題意識を持ち、そのことを多くの人に知ってもらうために書きました。
学校教育で建国の歴史を教えない国は、世界中で、日本だけではなかろうか。我が国は現存する世界最古の国家である。日本人なら素直に喜び、誇りに思えるこの重大な事実を、なぜ日本人は知らないのか。
日本が最古の国であることを知ったとき、私は心から感動し、「日本はすごい国なんだ」と思った。これほど日本人に誇りを持たせる重要な歴史を教えないとは、不自然極まりない。
そしてその結果、現在の日本は、建国記念の日に建国を祝う国民がほとんどいないという、世界的に見て、極めて異常な状況にある。日本国が存在することのありがたさを、日本人は実感していない。これは国家・民族の危機であろう。戦後教育の誤りは、国を滅亡させる力をも発揮しうるのである。

日本の建国は、「日本書記」によれば、初代神武天皇が即位した紀元前660年(約2700年前)となります。ところが、これは、考古学会から反対があり、学界としては認められていないようです。
ちなみに、大東亜戦争開戦の前年の1940年(昭和15年)に神武天皇即位から2600年を記念した「紀元二千六百年記念行事」が日本政府が中心となって祝われました。
竹田氏は、三世紀前期に奈良県の三輪山の麓にある纒向遺跡(前方後円墳)が作られたことがヤマト王権の成立であるとみなしています。纒向遺跡のような巨大な墳墓を作るためには、膨大な費用と人工が必要であり、それを調達できる強大な国家が成立していたとの判断で、至極まっとうな意見だと思います。(個人的には、日本建国は神武天皇まで遡ると思っていますが...)
この計算では、日本の建国は約1800年前となります。
ちなみにこの本に書かれている日本以外の国の建国は、以下の通りです。日本がダントツの一位ですね。
1位:日本(1800年以上前)
2位:デンマーク(約1000年前)
3位:英国(約950年前)
<国連の常任理事国の建国>
アメリカ:約240年前
フランス:約225年前
中華人民共和国:65年前
ロシア:23年前

このように世界に誇るべき日本の歴史を、当の日本人はほとんど知りません。その理由は、私たちが学んだ日本の歴史の教科書にそのような誇るべきことは書かれていないからです。
これは、米国の日本的なものを徹底的に貶めた占領政策と、何と言っても日教組の力が大きいと思います。戦前は、普通に教えていた古事記や日本書紀など建国に関わる古代の神話に関して、戦後は何も教えていないのです。
日本の天皇は、初代の神武天皇から今上天皇まで途切れることなく続いています。異論のある方もあるかと思いますが、少なくとも人民から攻め滅ぼされることなく、日本の統治者として君臨し続けてきたことは事実です。鎌倉時代から武家政権になりますが、天皇家を滅ぼして自分が日本の頂点に登ったものはいません。

現在の皇居は、もとは江戸城だったので別ですが、本来皇居にはお堀もなければ、城壁もありません。その必要がなかったからです。誰も天皇を攻めて、自分が日本の皇帝になろうと思った人はいないのです。源頼朝も徳川家康も征夷大将軍という朝廷の官位を天皇から任命される立場であり、天皇の臣下だったのです。

私たちは、歴史でお隣の中国が、随、唐、宋、元、明など王朝がどんどん移り変わるのを学んできましたが、日本自体は、その国体がずっと変わっていないという世界的に見ても特殊な国であることを全く認識していないと思います。このような事こそ、学校できちんと教えるべきですね。

ところが、私たちの頃もそうでしょうが、現在の日本の教科書には初代天皇である神武天皇の記載がなく、天皇とは日本人にとってどのような存在であるかも教えていません。
「国内では地方の豪族が反乱をおこし、政権のなかでも、豪族どうしの争いが続きました」の一文の後に、なんと、ここで突如、天皇が登場する。次の文である。
「女帝の推古天皇が即位すると、おいの聖徳太子が摂政となり、蘇我馬子と協力しながら、中国や朝鮮に学んで、天皇を中心とする政治制度を整えようとしました」
日本の歴史の教科書に登場する最初の天皇は、第三十三代推古天皇だった。しかも、三十三代であることは本文から読みとることはできない。「豪族どうしの争い」の結果、推古天皇が勝利を収めて初代天皇に即位したかのような書きぶりである。実際、推古天皇が初代天皇と勘違いしている中学生は多い。

私も、神武天皇に関しては、学校ではなく手塚治虫の「火の鳥」で知ったと記憶しています。
「何でも○国が起源」、「○国が世界一」などと捏造することが必要な国とは違い、日本には世界に誇れるものがあるのですから、事実を正確に子供たちに教えて欲しいと思います。

竹田氏は、世界的な歴史学者であるアーノルド・トインビーの言葉を紹介しています。
「十二、三歳くらいまでに民族の神話を学ばなかった民族は、例外なく滅んでいる

日本についてよく知りたい人にはお勧めの一冊です。

竹田氏の本は、以下もご覧ください。
・日本はクールか? 日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか 竹田恒泰著を読む

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